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箱根駅伝総評~早稲田大学

3区間区間賞も41秒差に泣く

往路2位復路2位
総合2位早稲田大学
(☆予想2位☆・区間予想4区間的中→1区3区5区6区、)

区間、名前(学年)、区間タイム、区間順位、(総合順位)、トップとの差
1区矢澤曜(1年)1時間4分48秒☆区間賞(1)-4秒差
2区尾崎貴宏(3年)1時間9分36秒区間6位(1→6)3分26秒差
3区竹澤健介(4年)1時間1分40秒☆区間賞(★区間新)(6→2)16秒差
4区三田裕介(1年)55分04秒☆区間賞(★区間新)-48秒差
5区三輪真之(4年)1時間22分38秒区間13位(1→2)22秒差

6区加藤創大(3年)1時間00分08秒区間7位(2→1)-18秒差
7区八木勇樹(1年)1時間5分07秒区間2位(1→1)-12秒差
8区中島賢士(2年)1時間7分39秒区間8位(1→2)45秒差
9区朝日嗣也(4年)1時間11分57秒区間5位(2→2)1分26秒差
10区三戸格(4年)1時間11分18秒区間3位(2→2)41秒差

○総合2位 11時間9分55秒

【優秀選手】矢澤曜、尾崎貴宏、竹澤健介、三田裕介の1区から4区…4区までは100点満点
【感動賞】三戸格…最後まで前を追い続けた!
【喝!】6区から8区…これだけの選手を並べて東洋に逆転を許す


 数少ない予想順位が的中した大学。当てた区間は、まあ予測がある程度ついていたところなので…2区尾崎7区矢澤あたりを当てられなかったのが個人的にはかなり悔しいところだ。

 レース的には駒大が崩れてしまったので、もう間違いなく優勝できるだろうと途中までは、たかをくくっていたのだのだが、早大よりは戦力的にはやや下と見られていた東洋大にしてやられた。勿論、東洋大が強かったのだが、なぜ負けたのかもう一度追ってみたい。

完璧だった1区から4区
 レース序盤は完全に早大が主導権を握っていた。1区矢澤選手は最初は全く前に出ず、10km過ぎから始まった小さなスパート合戦でも全く前に出なかった。ここをずっと我慢していたのが良かった。脚をしっかり溜めておいて20km手前に一気に集団から飛び出した。最後のスプリントが苦手だから、速めに決着を付けたかったそうだが、それにしても素晴らしいロングスパートだった。最後は詰められたが4秒差で逃げ切った。本人も自信が付いたし、2区の尾崎にとっても大変価値のある区間賞だった。

 2区尾崎は竹澤の代打。ここは耐える区間という位置付けだったが、ここも良く粘った。順位を落とすのは仕方なかったが、69分半の区間6位で総合6位に踏みとどまった。さすが"いぶし銀"といわれるだけある。走りも横浜駅で区間14位、権太坂区間9位、最終的には区間6位と尾崎らしく後半粘りある走りはさすがだった。最後は非常に苦しそうだったが根性で走りきった。これもまた次の区間にいい流れをもたらした。
 
 3区を任されたのは日本長距離界のエース・竹澤健介。アキレス腱の痛みによりエース区間は回避したものの、ここではさすがの走りだった。序盤からトップスピードに乗り、あっという間に2位浮上。3分以上の差をつけ独走していた山梨学院との差をみるみるつめ、最後は射程圏内の15秒差まで追い詰める圧巻の走りだった。区間タイムは1時間1分40秒の区間新。このタイムはおそらく1区の区間記録にも匹敵するのではないか。気温も考慮するとそんなに変わらないはず。つまり1区の区間記録を更新できる人でなければ3区の記録の更新も不可能。すごいタイムを出したものだろう。3年連続区間賞と華やかに箱根を終えた。

 この勢いは4区三田にも乗り移った。1kmであっという間に15秒の差をつめ、山梨学院と併走に持ち込んだ。そして相手に疲れが見えた10km過ぎ、一気に突き放した。そのままの勢いで走り区間新を叩き出した。4区なのでレベル的には低い方の部類なのだが、それでも今後楽しみな存在である。この時点で2位とは48秒、3位とは3分53秒、9位の東洋とは4分58秒、駒大は8分59秒差もの差をつけており、2位山梨学院にさえ気をつければ往路優勝はもう大丈夫と思っていた…のだが、その後柏原に大逆転を許すこととなる。三輪はちょっと余裕持ちすぎて入ったのかなと思うような感じに見えたが、これは敵を褒めるしかないような感じだった。しかし、早大には6区加藤がおり、ここで逆転して独走V…これが大方の予想であったし、自分もそう思っていた。


6区加藤伸びず!焦った7区8区
 上記で某番組のパクリで【喝!】とやった6区7区8区。この3区間はスポーツ推薦組を投入し、ここで東洋を逆転して大きな差をつけるつもりだったのだが、結局トータルで26秒負け、通算48秒差と差を広げられたのである。

 6区加藤は前回区間賞。今年は更なる速いタイムで駆け抜け、ここで東洋大に1分30秒のアドバンテージを取るつもりであった。が、気負ったのか肩に力が入りすぎてあまりペースが上がらない。おまけに腹痛が起きてしまった。5度の首位交代劇の末、プライドで最後は引き離したものの貯金はわずか18秒。これは痛すぎる。もうちょっと冷静になれなかったか。彼自身もいっていたが、下りは人に合わせるより自分のペースを守ることが重要。確かに東洋富永がいかほどの走りをするか分からないが、自分のペースでいけば充分引き離せたはず。「ガンガン行け」なんて指示を出さなければ良かったのだが……。これが後続のランナーに微妙に影響を与えることとなる。

 7区八木は前半から飛ばしに飛ばした。1km2分43秒と突っ込み、5km14分20秒。後ろの東洋大はあっという間に離れ、10km地点では1分以上に広がった。ちなみにこの八木で1分引き離す予定だったそうなので、予定通り…と思ったら、後半に入って八木のペースががくっと落ちた。実は年末に熱を出してどうにか間に合わせたようだった。また、彼の場合、自分の思い通りにならないとすぐ力んでしまう傾向があるので、余計にペースが上がらない。終わってみれば6秒差を詰められ12秒差となった。まあ、1年生の選手が区間2位なので、文句を付けるのはあれだが、彼は練習ではチーム2番手の実力。ただ、ちょっと自意識過剰のような感じがする。柏原はあまり周りの人の話を聞かない方がいいタイプのようだが、彼の場合はもう少し周りの声に耳を傾けた方がいいだろう。監督も抑えて入れという指示だったはず。守っていればこういうことにはならなかったはずだ。

 そして結局8区中島がトップを奪われる。まあ本調子ではなかったような走りだし、適性の問題もあったか。東洋千葉選手は這うような走りで長距離向き。逆に中島選手は少し飛び跳ねるような感じでトラック向きのような感じ。スタミナを要するの8区ではないような…まあ、戦略上仕方なかったのだが、ここで最後の数キロで48秒もついてしまったのはいけないだろう。スポーツ推薦組がこのような走りでは勝てるわけがない。負けるべくして負けた感じだ。



最後まで諦めなかった9区朝日&10区三戸
 9区10区は一般入試の4年生の2人。共に苦労人。東洋の9区10区の2人もエリートというわけではないのだが、持ちタイムは数段上。しかも佐藤監督は早大と2分あっても逆転できると自信を持っていた。ここからはジリジリ離れていく展開になるのかと思われたが、最後の最後まで彼らは粘った。

 9区朝日は最初の1kmを2分43秒で突っ込み、前を果敢に追い、一時5秒差まで前との差を詰めた。まあ、結局大津の巧妙な走りにしてやられ、最終的には1分26秒まで差をつけられることとなるが、横浜駅通過までは区間トップのタイム。最後疲れたが区間5位でまとめて上々の走りだ。朝日は1年の時は5000m15分半の選手で練習に全く付いていくことが出来なかったそうだが、それがよくここまであがってきたものである。復路の重鎮9区で5位は素晴らしい成績だろう。

 10区の三戸は1年の頃、朝日よりは上の持ちタイムを持っていたものの、政治経済学部と大変な中、文武両道を貫いてきた選手。このレースが引退レースだった。この三戸は他の4人違い、前半は自分のペースで入った。そしてラスト5kmで渾身のスパート。「体がぶっ壊れてもいい」走りを実演し、最後の最後まで東洋大との差を詰める姿には不覚にも涙ぐんだ。終わってみればトップと41秒差と歴代4番目の僅差の勝負だった。区間3位の走りで見事有終の美を飾った。



 結局、エリートをつぎ込み差をつけようとした6区7区8区で通算26秒負け、劣勢と思われた一般入試組の9区10区で通算7秒勝つという何とも皮肉な結果に。勿論、東洋も安全策を取ったりしたので一概には言えないのだが、前半区間が普通に走ってくれれば勝てたという結果だった。そういえば相楽コーチが「叩き上げは下積み(地道な走り込みが多い)が長いので、一旦レギュラークラスになればとても使いやすい」と言っていたが、それを嫌な形で実証することとなった。まあ、こういう叩き上げがメンバーに食い込むことはいいが、エリートが長い距離を奪われ、しかも負けてはダメでしょ……

 9区10区の走りをみて、他のランナーは感ずるところがあったはず。今回欠場した高原と共に来年こそ覇権奪回を狙ってほしい。



来期への展望
 では来年こそ優勝できるのか、メンバーをみてみよう
○卒業生出走メンバー
竹澤健介3区1位・三輪真之5区13位・朝日嗣也9区5位・三戸格10区3位

○在校生出走メンバー
矢澤曜1区1位・尾崎貴宏2区6位・三田裕介4区1位・加藤創大6区7位・八木勇樹7区2位・中島賢士8区8位

○在校生補欠メンバー
高原聖典・猪俣英希・神澤陽一・高野寛基

 うん、現有戦力をみると一番強そうなのは早大だろう。みんな区間一桁で走ったランナーだし、高原も似たような力はあるし、猪俣など楽しみなランナーがいる。また佐久長聖高校から2人、小林高校から1人即戦力が入ってくるとか。やっぱり非常に楽しみである。

 問題は竹澤と山登りだろう。竹澤の抜けた穴はすごく大きい。タイム以上にあれだけ流れを作れるランナーはいないだろう。今年仮に3区竹澤じゃなかったら果たして優勝争いできただろうか?よくて4番手争い当たりになっていたような気がする。竹澤レベルまでいくのは苦しいだろうから、流れを変えられる選手を育成することが大事になろう。後は山登りを誰が担当するのか。上位争いでいいなら繋ぎでいいのだが、目指すは優勝。とするとかなり穴になる。毎年柏原に5分やられるので育成は急務。補欠だった高野がまずは平地で基礎走力を磨くことが大事だ。山登りは見ているとまずは①基本走力があるランナー。その上で②適性という感じに思える。感じ的には三田が良さそうだが、どうだろうか。この5区を80分で走れるランナーを育成しないと優勝は厳しい。

 まあ、いずれにせよ、もう数年は上位にいけそうな戦力があるので、何とかその間に優勝を果たしたいものである。

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