2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第93回箱根駅伝を振り返る~10区編






アンカーは主将・『サンキュー大作戦』完結へ/幻の区間賞を狙う男VS高校のタイム最下位の男
10区
定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位

蒲田5.9㎞

参考:83回松瀬(順大)17分27秒

1位安藤(青学)17分40秒①
17位小早川(東洋)18分16秒②7:06
11位清水(早大)18分06秒③7:53
2位作田(順大)17分53秒④9:26
16位中神(神大)18分12秒④9:26
4位村上(中学)17分58秒⑥11:53
9位東福(法大)18分01秒⑥11:53
11位堀合(駒大)18分06秒⑧12:09
5位林(東海)18分00秒⑨12:32
10位小野木(日体)18分03秒⑨12:32
19位加藤(帝京)18分33秒⑪13:50
15位彦坂(創価)18分10秒⑫16:11[12]16:11
13位山本(大東)18分07秒⑬17:55[12]16:11
18位赤崎(拓大)18分17秒⑭19:25[14]19:25
20位鈴木(國學)18分36秒⑰22:32[14]19:25
13位佐藤(上武)18分07秒⑮19:48[16]19:48
OP照井(学連)17分39秒(20)28:01[17]19:59
3位坂口(明大)17分55秒⑱23:41[18]20:15
5位熊代(山学)18分00秒⑯21:55[19]20:20
5位山崎(日大)18分00秒⑲24:56[19]20:20
5位渡部(国士)18分00秒⑳43:21[19]20:20
 2年前初優勝のゴールテープを切ったのが安藤選手。その安藤選手が主将となって10区に帰ってきた。元々長い距離を淡々と走るのが得意ということなので10区のコースや気象条件からすると打ってつけだ。やはり一番早いタイムでラップを刻んでいく。

 ところが実は一番早いのは連合照井選手で、繰り上げスタートの中から一人でポーンと抜け出した形になっている。幻の区間新記録を狙ってはいたそうで、この時点で安藤選手を1秒上回っている。それにつられてか、元々実力のある明大・坂口選手や、他山学・熊代、日大・山崎、国士・渡部選手らみんな早い入りになっている。このあたりも最後の区間で何とか一矢報いたいところだがどうだろう。

 シード権争いに関しては、9位-11位争いに限ると、距離が近かった東海・林選手と日体・小野木選手が並走しており、ここまでは普通のタイムだ。追い上げたい帝京・加藤選手はこの6㎞弱で30秒差を広げられてしまった。何が何でも前半からいかなければならない状況でタイム差が開いてしまい、調子があまり上がっていないのではとこの時点で思われた。

新八ツ山橋13.3㎞-蒲田5.9㎞=7.4㎞

参考:83回松瀬(順大)22分22秒(13.5㎞-6.0㎞?)

4位安藤(青学)23分06秒①
9位小早川(東洋)23分18秒②7:18
10位清水(早大)23分21秒③8:08
3位作田(順大)22分56秒④9:16
13位中神(神大)23分32秒⑤9:52
5位村上(中学)23分08秒⑥11:55
5位東福(法大)23分08秒⑥11:55

1位林(東海)22分54秒⑧12:20
1位小野木(日体)22分54秒⑧12:20

8位堀合(駒大)23分17秒⑧12:20
19位加藤(帝京)24分03秒⑪14:47
11位彦坂(創価)23分29秒⑫16:34
14位山本(大東)23分37秒⑬18:26[13]16:42
OP照井(学連)22分38秒(20)27:33[14]19:31
7位赤崎(拓大)23分12秒⑭19:31[14]19:31
11位佐藤(上武)23分29秒⑮20:11[16]20:11
20位鈴木(國學)24分08秒⑰23:34[17]20:27
15位熊代(山学)23分51秒⑯22:40[18]21:05
15位山崎(日大)23分51秒⑲25:41[18]21:05
15位渡部(国士)23分51秒⑳44:06[18]21:05

18位坂口(明大)23分56秒⑱24:31[18]21:05
 この定点間の照井選手の走りが素晴らしいですね。この定点間の区間トップの選手とは16秒差、通算で区間トップの安藤選手のペースが落ち着いたため、29秒の差をつけて断トツのトップのタイムで通過している。見た目でも上武・佐藤選手や國學・鈴木選手をあっと言う間に交わしていき、食らいついた拓大・赤崎選手がこの定点間は早めのタイムとなっている。このままいけるのが俄然注目となってきた。

 記録が付く中での区間トップは林選手と小野木選手の並走になっている。ここはさすが主将同士の競り合いだ。前悪いペースで走っているわけではない駒大・堀合選手が追いつかれこの時点で3人の並走になっている。駒大ファンとしてはややヒヤヒヤだったが、前の中学・村上、法大・東福選手もいいペースで刻んでいるのもあったようだ。11位帝京・加藤選手は険しい表情でペースをあげることはできず、この時点で2分27秒差となりほぼ万事休すといった形になった。

 そのほか、上位の争いとしては、ややスローな入りとなった2位東洋・小早川選手に、3位早大・清水選手が11㎞過ぎに40秒差まで迫ったとアナウンスがあったがそのあたりからやや疲れが出てきたようで、再び差が広がり始めている。むしろ、後ろの5位でスタートした順大・作田選手が神大・中神選手を交わしていき4位浮上。区間上位をキープしており前を追いかけているようだ。



田町16.5㎞-新八ツ山橋13.3㎞=3.2㎞

参考:83回松瀬(順大)9分18秒(16.6㎞-13.5㎞)

8位安藤(青学)9分52秒①
9位小早川(東洋)9分54秒②7:20
11位清水(早大)10分03秒③8:19
4位作田(順大)9分45秒④9:09
12位中神(神大)10分05秒⑤10:05
3位村上(中学)9分42秒⑥11:45
7位東福(法大)9分50秒⑦11:53
1位林(東海)9分37秒⑧12:05
1位小野木(日体)9分37秒⑧12:05

5位堀合(駒大)9分48秒⑩12:16
20位加藤(帝京)10分27秒⑪15:22

6位彦坂(創価)9分49秒⑫16:31
18位山本(大東)10分18秒⑬18:52[13]17:08
OP照井(学連)9分40秒(20)27:21[14]19:19
13位赤崎(拓大)10分06秒⑭19:45[15]19:45
10位佐藤(上武)9分57秒⑮20:16[16]20:16
19位鈴木(國學)10分23秒⑰24:05[17]20:58
14位坂口(明大)10分17秒⑱24:56[18]21:30
14位熊代(山学)10分17秒⑯23:05[18]21:30
14位山崎(日大)10分17秒⑲26:06[18]21:30
14位渡部(国士)10分17秒⑳44:31[18]21:30
 この定点間は3㎞弱ですが、毎年八ツ山橋を境に大きくペース変動があるところだ。6位以下の争いでは大きな変動があったようで、まず村上選手が東福選手を突き放して単独6位へ浮上。全日本のアンカーで59分台を出せる選手なのでやはり力は上々だ。8位争いはこの間もトップの林・小野木が頑張っていて、堀合選手を突き放し始めている。

 後ろの方では創価・彦坂選手が調子よく、一旦追いついてきた大東・山本選手を突き放した。創価大は本当に8区から踏ん張っている。復路追い上げてきた大東大はここはちょっと息切れとなってしまったか。その後ろにポジションをあげてきた照井が区間トップとなった林選手と38秒差に。ただ、さすがに定点間トップではなくなり、さらに中位の争いの激しさからすると、ここからは逃げ切れるかどうかとなってきそうだ。


御成門18.1㎞-田町16.5㎞=1.6km

参考:83回松瀬(順大)5分02秒(18.1㎞-16.6㎞)

12位安藤(青学)5分20秒①
6位小早川(東洋)5分18秒②7:18
14位清水(早大)5分23秒③8:22
2位作田(順大)5分10秒④8:59
16位中神(神大)5分27秒⑤10:12
3位村上(中学)5分12秒⑥11:37
1位小野木(日体)5分00秒⑦11:45
3位東福(法大)5分12秒⑦11:45
5位林(東海)5分18秒⑨12:03
11位堀合(駒大)5分19秒⑩12:15
20位加藤(帝京)5分32秒⑪15:34
6位彦坂(創価)5分18秒⑫16:29
19位山本(大東)5分31秒⑬19:03[13]17:19
OP照井(学連)5分16秒(20)27:17[14]19:15
15位赤崎(拓大)5分24秒⑭19:49[15]19:49
12位佐藤(上武)5分20秒⑮20:16[16]20:16
17位鈴木(國學)5分29秒⑰24:14[17]21:07
6位坂口(明大)5分18秒⑱24:54[18]21:28
6位山崎(日大)5分18秒⑲26:04[18]21:28
6位渡部(国士)5分18秒⑳44:29[18]21:28

17位熊代(山学)5分29秒⑯23:14[21]21:39
 短い距離で秒差ですが、青学・安藤選手がここで12番だったのはちょっと意外。ある程度安全に走っていたのもあるのか、それともレース後に足を引きずっていたのも少し影響するのかちょっと気になったところだ。このあたりは序盤抑えた小早川選手が元気だった。なお、2位と3位の争いよりも3位と4位の争いが面白くなってきて、37秒差ということでいつの間にか詰まってきている。

 なお、この定点間は小野木選手が断トツで早く、林選手を一気に突き放し、ハイペースを維持している東福選手を捉え、村上選手も視界に入ってきている。前回も経験して、持ちタイムもぐっと縮めた。調子自体は上がり切っていないということでしたが、さすがの走りだ。

 他、この間は、一斉スタート組付近で動きがあり、坂口・山崎・渡部選手がまずまずのペース。ずっとタイムが伸びきらない國學・鈴木選手が視界に入ってきた。また、その集団をずっと引っ張ってきた山学・熊代選手が息切れしたか、見た目最下位ということになってしまった。



馬場先門20.1km-御成門18.1㎞=2.0km

参考:83回松瀬(順大)6分17秒(20.1㎞-18.1㎞=2.0㎞)

6位安藤(青学)6分19秒①
8位小早川(東洋)6分21秒②7:20
9位清水(早大)6分22秒③8:25
3位作田(順大)6分15秒④8:55
17位中神(神大)6分31秒⑤10:24
5位村上(中学)6分18秒⑥11:36
1位小野木(日体)6分12秒⑦11:38
1位東福(法大)6分12秒⑧11:48

4位堀合(駒大)6分16秒⑨12:12
16位林(東海)6分31秒⑩12:15
18位加藤(帝京)6分36秒⑪15:51
7位彦坂(創価)6分20秒⑫16:30
18位山本(大東)6分36秒⑬19:20[13]17:36
OP照井(学連)6分22秒(20)27:20[14]19:18
10位赤崎(拓大)6分23秒⑭19:53[15]19:53
14位佐藤(上武)6分27秒⑮20:24[16]20:24
15位鈴木(國學)6分29秒⑰24:24[17]21:17
11位坂口(明大)6分24秒⑱24:59[18]21:33
11位山崎(日大)6分24秒⑲26:09[18]21:33
11位渡部(国士)6分24秒⑳44:34[18]21:33
20位熊代(山学)6分51秒⑯23:46[21]22:11
 まず最初にこの定点間で、あわや人身事故が起きそうだった事を記載したい。馬場先門の数百メートル手前にある日比谷通りだ。ここは手動により選手の通過時に交通を遮断するのですが、神大の中神選手が通過する際、うまく情報が伝わらず、車が横断している最中に中神選手が入って行ってしまったのだ。慌てて警備員が止めに入るが、一台のワゴン車が制止を振り切り突入、中神選手の眼前に…。直前で中神選手が気づいて急ブレーキをかけたために事なきを得たが、本当にヒヤリとする場面だった。何とか二度と起こらないように対策をしてほしいところだ。

 走りとしては、この定点間でも小野木選手がトップ。そしてもう一人、法大・東福選手もこの間はトップタイの走り。全日本予選あたりから顔を見始めた2年生だったが、ここまで長距離適正が高かったとは。4年ぶりのシード権まであともう少しだ。また、9位は駒大・堀合選手が再び浮上、林選手がやや苦しくなって引き離され始めている。

 区間賞争いはこの時点で小野木選手が浮上、区間2位の作田選手とは13秒差へ。また、照井選手もこのあたりにきてさすがに区間真ん中あたりのペースとなり始めて、幻の区間賞へ貯金は11秒となった。


大手町23.0km-馬場先門20.1km=2.9km

参考:83回松瀬(順大)8分32秒

7位安藤(青学)9分24秒①
8位小早川(東洋)9分25秒②7:21

3位清水(早大)9分15秒③8:16
1位作田(順大)9分01秒④8:32
17位中神(神大)9分49秒⑤10:49
2位村上(中学)9分03秒⑥11:15
3位小野木(日体)9分15秒⑦11:29

9位東福(法大)9分32秒⑧11:46
3位堀合(駒大)9分15秒⑨12:03
19位林(東海)9分59秒⑩12:50
16位加藤(帝京)9分47秒⑪16:14
6位彦坂(創価)9分21秒⑫16:27
13位山本(大東)9分39秒⑬19:35[13]17:51
OP照井(学連)9分23秒(20)27:19[14]19:17
14位赤崎(拓大)9分43秒⑭20:12[15]20:12
11位佐藤(上武)9分35秒⑮20:35[16]20:35
11位鈴木(國學)9分35秒⑯24:35[17]21:28
9位坂口(明大)9分32秒⑱25:07[18]21:41
14位山崎(日大)9分43秒⑲26:28[19]21:52
18位渡部(国士)9分58秒⑳45:08[20]22:07
20位熊代(山学)10分45秒⑰25:07[21]23:32
 200㎞超えの箱根駅伝がついに最終局面を迎えた。青学・安藤選手がしっかりとトップを守り、大手町のゴールテープを切った。史上初の3冠&3連覇の同時達成となり、本当に青山学院大は箱根駅伝史上に残る一時代を築きあげましたね。原晋という男の起用、そして最初の数年間結果が伴わなかったところで契約を切らなかったこと、夫人の協力がありました。強化の最中にスカウトの工夫・練習の在り方など様々な創意工夫がなされました。その間、様々な人との出会いや助けがあったと思います。多くの人たちに感謝の気持ちを込めた『サンキュー大作戦』大成功となった。

 2位には往路復路とも安定した戦いを見せた東洋大、アンカー小早川選手がフィニッシュ。さすがに箱根に合わせてくる力は健在でした。不安要素と言われた現3年生にも収穫があり、来季に向けても明るい材料が揃ってきた。3位はラストの切り替えで後ろの猛追を交わし、早大・清水選手がゴール。終盤で3位に落ちたのは勿体なかったですが、戦前の打倒青学の対抗馬ということでは最後まで抵抗したと思います。調整不足という意見もありますが、青学も結構ギリギリの危ないところでしたし、全体的なチーム力が及ばなかったというところだと思います。久々にトップ3に入れたことが良かったのだと思います。

 その直後にやってきのが順大・作田選手。ラスト3㎞の切り替えで一気に前を追い上げて、あともう少しでトップ3に入れる位置だった。自身も一気に巻き返して区間賞へ。作田選手はおそらく今回の箱根エントリー選手の中では高校の持ちタイムが最も遅かったランナー。これだけ結果を出したのは本当に驚異的なこと。順大の復活に花を添えた。次、5位でゴールした神大も大躍進だ。実はメンバー的にはギリギリでアンカーの中神選手は故障を抱えたまま出走だったとか。その中でまとめきった。12年ぶりのシード権とは思えないくらい、しっかりとした継走だった。

 6位から10位の争いはいつの間にか5位をかなり追い上げていた。26秒後にやってきたのは中学大の主将・村上選手。暑さに強く、トラックのスピードもある。先ほど背後に迫った日体大を突き放す形でゴール。こちらは見事チーム史上初の3年連続のシード権獲得となった。長い時間をかけて戦力を整えてきた。7位日体大も結果的には順当だった。トラックの速さは身につけてきた、今後は個々の強さを求めていくことだったが、小野木主将の走りはチームの指針になるような気がする。8位はこれはシード校の中では一番予想されていなかっただろう法政大が見事にゴール。4年前は往路の躍進から逃げ切った感じだったが、今年は1区からシード権争いをして見事勝ち切った形、東福選手の力強い走りから来年度も楽しみなチームになりそうな予感が漂っている。

 9位と10位は優勝~3位争いとも目されていたチームとなった。駒大・堀合選手が何とか一桁順位を確保する9位、2区間ブレーキがあり、シード権争い上の勝負となったが、さすがに復路のメンバーも意地を見せた形だ。ゴール後の笑顔はなかったのがとても印象的、来季復活への道はあるのか。対照的に安堵の笑顔を見せたのはまさかの往路15位から何とか追い上げた東海大。状態が上がり切っていなかったという林主将が最後はやや危ない感じのラップの落ち方となった。箱根の難しさを痛感する形となった。少し青学・原監督やマスコミの発言に躍らせれてしまったかもしれない。様々に考えられることはある、次回躍進といきたい。

 最終的には差が開いたが、順位的に惜しいところに帝京大と創価大が11位と12位に入った。帝京大は非常に惜しいところ、無念のシード落ちとなった。ただ、個々を見ていると往路の躍進や下級生の収穫があり、上位進出の夢は次回へ続きそうだ。創価大も力は出し尽くしたのではと思う。彦坂選手の後半粘りもあり、出場2回目で12位は最近の初出場校の中では最上位だ。これから定着していくか、次がまた勝負となりそうだ。続いて見た目13番の大東大が総合でも13位へ。予選トップ通過の片りんは一応見せられただろうか。厚い選手層を次こそ適材適所で配置していきたい。

 そのあとだ。注目の照井選手が懸命に走ってやってきた。終盤はさすがに苦しくなったが、区間賞狙いに気持ちを切り替えて、最後まで粘り通して、区間賞の作田選手を2秒上回るタイムで走破。一躍時の人となった。連合チーム自体は、複数区間で失速してしまい勝負はできなかったが、上級生の活躍も複数あったのは良かったのかなと思う。

 そのあとは、唯一の1年生アンカーでまとめる走りをした拓大・赤崎選手、常に区間中位を維持していた上武・佐藤選手が入った。拓大としては課題は克服したものの今回も惜しいところでシード権から離されてしまった。チーム力、あともう少しというところなのだろう。上武大は往路一桁であったり、今回は区間最下位付近の数も少なかったり、調整面などでワンランクあげられたような気がします。9年連続出場しながらシード権獲得できないのは記録物らしいが、いずれ狙えるようになりたい。少し間があいて國學・鈴木選手が、後ろの集団から何とか逃げ切ってゴール。最後意地を見せたことにより、総合順位も16位にひきあがった。全日本出場もできたし、次回また一つ上のレベルにあがりたい。

 そのあとは20㎞以降にばらけた3人明大・坂口、日大・山崎、国士・渡部選手が連続でやってきた。坂口選手は多血症と戦いながら今持てる力は出せたでしょうか。明大自体は故障者などの影響で適材適所組めず、浮上のきっかけは掴めなかった。来季しっかり巻き返しとしたい。予選最下位通過の日大は最初の2区間が不発ながら6区まで踏ん張ったと言える。毎年課題となる選手層の厚さを少しでも埋めていきたいところだ。国士大は一旦予選15位に落ちたところから、全員で結束して箱根に戻れたというところ、戦う集団に1年かけてしていきたいところだ。

 そして、誰が予想しただろう。出雲2位・全日本3位の山学大がその後方、アンカー・熊代選手が重い足取りでしんがりで戻ってきた。年末に入り、インフルエンザが蔓延したらしく、複数の主力選手が感染してしまった。何とか選んだ10人で精一杯の走りを貫いた結果だ。反省できるところは反省して、また這い上がっていく、来季はそういう展開していきたいところだ。

 次年度は青学中心ではあるけれど、絶対的エースは卒業するのでもう少し接戦になるか、ここ最近とは違うチームが上位候補にあがっていきそうな、そんな気配がある。それぞれの戦いはもう始まっている。



フリーダムTwitter




 

第93回箱根駅伝を振り返る~9区編






最初で最後の大学駅伝はトップ疾走/鉄紺の箱根とは/藤色のプライド
9区
定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位

権太坂7.7㎞

1位池田(青学)22:51①
4位光延(早大)23:19②6:00
2位野村(東洋)23:08③6:55
9位大川(神大)23:44④7:37
6位聞谷(順大)23:27⑤8:37
13位室伏(日体)23:59⑥9:46
10位城越(法大)23:51⑦9:57
12位藤田(中学)23:58⑦9:57
5位片西(駒大)23:22⑨11:01
3位川端(東海)23:15⑩11:10
8位平田(帝京)23:43⑪11:40
11位三澤(創価)23:54⑫13:58
17位土師(拓大)24:13⑬14:27
7位谷川(大東)23:37⑮16:21[14]14:37
18位佐藤(上武)24:18⑭15:30[15]15:30
14位古賀(山学)24:01⑯17:09[16]17:09
15位國澤(國學)24:03⑲20:16[16]17:09
16位吉田(明大)24:09⑱19:41[18]18:44

20位山崎(日大)25:02⑰19:34[19]19:34
OP加藤(連合)23:50(20)26:22[20]20:22
19位餅崎(国士)24:31⑳39:33[21]21:40
 9区を走る青学・池田選手は、関東IC2部ハーフ連覇している選手だ。暑さにも強いし、起伏にも強い選手だ。これだけの実績がある選手が今回が最初で最後の大学駅伝となるのが青学大の選手層である。まずは2番を17秒引き離す区間トップで走っているが、本人曰く緊張で突っ込んでしまったという。それでも快調な走りに見えた。

 2番で走っているのは3位東洋・野村選手で4位すぐ後ろにいた神大・大川選手は突き放しており、2位のスピードランナー早大・光延選手との差が1分以内となってきた。ゲスト解説の服部勇さんが「絶好調と聞いている」とのことだったが、それに違わぬ走りを見せているようだ。

 シード権争いはやはり東海・川端選手が力をあるところを見てジリジリと帝京・平田選手を突き放していく。平田選手も8番目のタイムと頑張っているが中継点で2秒だった差が30秒差となってしまった。その前も気になるが駒大・片西選手も5番目のタイムでまずまずの早いタイムとなっており、帝京大としてはちょっと辛い状況になってきた。


横浜駅前14.5km-権太坂7.7㎞=6.8㎞

2位池田(青学)20:19①
4位光延(早大)20:39②6:20
1位野村(東洋)20:10③6:46
8位大川(神大)20:56④8:14
5位聞谷(順大)20:39⑤8:57
10位城越(法大)21:01⑥10:39
12位藤田(中学)21:04⑦10:42
15位室伏(日体)21:25⑧10:52
6位片西(駒大)20:40⑨11:22
3位川端(東海)20:31⑨11:22
13位平田(帝京)21:05⑪12:26
9位三澤(創価)20:58⑫14:57
7位谷川(大東)20:55⑮16:57[13]15:13
17位土師(拓大)21:32⑬15:40[14]15:40
18位佐藤(上武)21:42⑭16:53[15]16:53
11位國澤(國學)21:02⑱20:59[16]17:52
14位古賀(山学)21:21⑯18:11[17]18:11
16位吉田(明大)21:28⑰20:50[18]19:53
OP加藤(連合)20:53(20)26:56[19]20:56
20位山崎(日大)22:17⑲21:32[20]21:32
19位餅崎(国士)21:46⑳41:00[21]23:07
 池田選手は安定したペースで刻み続けているが、タイム上では東洋・野村選手が上回り始めていた。確かに昨シーズンの駅伝でロードにとても強いところを見せていた。ただ、今シーズンは全般的に不調だったので、どうなのかなと思っていたらいやはやここまであがっていたとは。区間上位で走り続けている光延選手との差がみるみる詰まっている。近づいてくるという状況で俄然元気になりそうだ。

 大川選手を挟んで5位以下は、4年間10区か9区を走り続けている順大・聞谷選手が単独5位を完全に確保、6位から8位が僅差の勝負となっていて、その中で法大・城越選手と中学・藤田選手が頑張って順位浮上、室伏選手がややリズムに乗れず8位へ下がった。怖いのは9位と10位で、東海・川端選手が駒大・片西選手に追いつき、そこから牽制することなく区間5番前後のタイムを刻み続けており、6位争いとの差を詰めつつある。そして11位平田選手との差もぐんぐん開け1分以上後方に置き去りにしている。この9区が強いのはさすが優勝候補に挙がっていたチームだったとも言えそうだ。

 12位もやはり差が離れつつあるが、創価・三澤選手と大東・谷川選手が頑張って12位と13番。拓大・土師選手と上武・佐藤選手はペースを上げることができずに引き離されて行った。その後ろ、権太坂前後で並走が見られた國學・國澤選手と山学・古賀選手は、横浜駅前で決着。國澤選手が前に出始めている。

 また、池田選手の快走もあり、その後ろは差が開き始めている。この時点で連合・加藤選手と日大・山崎選手が20分をオーバー。加藤選手は健闘しているもののその前の区間までタイム差が開きすぎていたか、山崎選手は長距離得意な選手なのでびっくりしたが、定点間、連続区間最下位で何かしらアクシデントがあったのかと思える感じだった。



生麦20.2km-横浜駅前14.5km=5.7㎞

2位池田(青学)17:45①
1位野村(東洋)17:32②6:33
10位光延(早大)18:15③6:50
6位大川(神大)18:11④8:40
3位聞谷(順大)18:00⑤9:12
9位藤田(中学)18:14⑥11:11
12位城越(法大)18:20⑦11:14
5位片西(駒大)18:10⑧11:47
14位室伏(日体)18:44⑨11:51
11位川端(東海)18:16⑩11:53
6位平田(帝京)18:11⑪12:52
12位三澤(創価)18:20⑫15:24
4位谷川(大東)18:05⑬17:17[13]15:33
19位土師(拓大)19:49⑭17:44[14]17:44
6位國澤(國學)18:11⑰21:25[15]18:18
17位佐藤(上武)19:22⑮18:30[16]18:30
18位古賀(山学)19:40⑯20:06[17]20:06
16位吉田(明大)19:22⑱22:27[18]21:30
OP加藤(連合)18:27(20)27:38[19]21:38
20位山崎(日大)19:56⑲23:43[20]23:43
15位餅崎(国士)19:15⑳42:30[21]24:37
 野村選手が本当に絶好調だ。17.5㎞でついに光延選手を捉えた。走りが全くブレない野村選手に対してやや肩がブレていた光延選手、19.2㎞地点で差が開き始め、1㎞語の生麦の時点では17秒も差がついてしまった。総合の区間タイムでもここで池田選手を逆転、区間トップに躍り出た。前哨戦が全く東洋らしくない戦いぶりで東洋大の順位予想を下げる駅伝ファンも多かったですが、ここはさすが東洋大であった。

 4位争いが激しくなっており、聞谷選手が3番目のタイム、過去3年間は区間10番前後の成績であったが、最終学年に力を付けた。今シーズン就任した長門監督が4年間9区を走っている選手なのも関係あるかもしれない。ただ、大川選手もしっかり逃げている印象だ。6位争いは横浜駅前直後に藤田選手が城越選手に追いつき、その城越選手が脚が痙攣したこともあり、単独6位へ。その200m後方では8位から10位でバトルとなっており、あまりテレビに映っていなかったが、実は片西がスパート、室伏選手を交わして8位へ浮上、引き離された川端選手も室伏選手には2秒差にまで追い上げている状況だ。

 後ろは繰り上げになりそうなチームが増えてきている。見た目15番の國澤選手は好調で大丈夫、上武・佐藤選手は悪いながらもペースを保っているか。先ほど國澤選手と並走していた古賀選手がガクンとペースダウンで一気に20分オーバー、明大・吉田選手も本来の走りとならずたすきを渡すのは難しくなっている。優勝候補と予選2位通過のチームがここまで下がるとは、本当に箱根は走ってみなければ分からないものである。


鶴見中継所23.1-生麦20.2km=2.9km

3位池田(青学)9:00①
2位野村(東洋)8:57②6:30
15位光延(早大)9:37③7:27
8位大川(神大)9:14④8:54
4位聞谷(順大)9:01⑤9:13
9位城越(法大)9:18⑥11:32
13位藤田(中学)9:24⑦11:35
1位片西(駒大)8:56⑧11:43
9位室伏(日体)9:18⑨12:09
12位川端(東海)9:19⑩12:12
5位平田(帝京)9:05⑪12:57
9位三澤(創価)9:18⑫15:41
6位谷川(大東)9:11⑬17:28[13]15:44
6位國澤(國學)9:11⑰21:36[14]18:29

19位土師(拓大)10:04⑭18:48[15]18:48
16位佐藤(上武)9:51⑮19:21[16]19:21
20位古賀(山学)10:29⑯21:35[17]21:35
OP加藤(連合)9:24(20)28:02[18]22:02
18位吉田(明大)9:59⑱23:26[19]22:29
17位山崎(日大)9:53⑲24:36[20]24:36
14位餅崎(国士)9:31⑳43:01[21]25:08
 池田選手は最後まで安定した走り、序盤飛ばした分もあるのか、精神的にはずっと苦しい状況だったそうだが、見事有終の美を飾る走りでアンカーに繋いだ。2位野村選手もトップとは6分半もの差となったものの、最後に苦しんだ光延選手を57秒突き放した。来年こそチームの主力選手として引っ張ってくれそうな雰囲気だ。4位争いは大川選手が逃げ切って4位でアンカーへ。神大は9区放送中に過去10年間の総合順位のアナウンスがあったが、このままなら大きなジャンプアップだ。順大・聞谷選手も前を追い上げ、前回区間2位の選手へ、まだまだあげていけるかもしれない。

 その後ろ、6位~10位の争いがとても激しい。6位先ほど足を痛めて後退したと思われた城越選手が巻き返した。遅れ始めたところで坪田監督から「4年生最後だ、出し切って終わろう。東福が待ってる。中央学院も苦しい、頑張ってくれ城越」と激励が飛んでいたがそれが効いたのか、6位法大7位中学でリレー。その後ろ驚いた、片西選手が間近に迫っていた。生麦からだけでみるとトップのタイムで駆け抜けた。結果的に駒大は本当に助かった走りだ。

 9位10位は150m後方、室伏選手と川端選手が競い合いながら中継所に飛び込んできた。11位との差が気になるが、終盤に少し詰まった。平田選手がラストを5番目のタイムで駆け抜けて45秒差へ。横浜駅前からペースアップしており、1年生らしからぬ23㎞の走り方だった。事前に中野監督が「9区が楽しみ」と発言されていたが、しっかり走り切った。なお3チームもアンカーは前回の箱根で区間一桁で駆け抜けている4年生。箱根はやっぱり4年生頼みになるようだ。

 12位以降は10位からは3分半空き万事休すか。ただ、創価・三澤選手が踏ん張って総合12位をキープ。2回目の出場で躍進がかなり濃厚になった。直後には見た目だけでなく総合13位にあげた谷川選手。大東大は6区から4連続区間一桁、このまま10区もまとめたいところだ。

 その後ろは見た目で18分以上の差に。この区間好走し、見た目を14番・総合も17位にあげた國澤選手が間に合い、この区間はペースを上げることができなかった拓大・土師選手と上武・佐藤選手もそれまでの貯金で何とか繋ぎ切った。両校とも前回は早い段階で繰り上げにあっていた。シード権は遠のいたものの、ひとまずほっとできるところだろう。

 ただ、その後ろは厳しかった。急ぎたかった山学・古賀選手がラストは無念の最下位のタイムであっという間に差が開いてしまった。痛め止めを飲んでの強行出走だったそうだが、襷を繋ぐにはいたらなかった。その後ろは見た目で2つ順位をあげる健闘を見せた加藤選手、玉突きで9区出走の吉田選手も間に合わなかった。

 そこからさらに2分間があいて、ブレーキ気味となった日大山崎選手。総合も19位とブービーにまでダウンしてしまった。そこから30秒後ろで国士・餅崎選手が最後尾。ただ、区間16位と国士大が初めて区間18位以内に。両脚ともにガチガチにテーピングを巻いていて横浜駅前でかなり苦しそうだったのだが、粘ったといっていいだろう。そういえば、3年前国士大が初めて区間ブービー以下よりいい成績を取ったのも当時1年で8区出走した餅崎選手だった。これはこれで強メンタルなのかもしれない。




フリーダムTwitter





 

第93回箱根駅伝を振り返る~8区編






区間新への突っ込み/1年生が好走/ほぼ決定した優勝争いと逆転のシード争い
8区
定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位

茅ヶ崎6.7㎞

参考:92回下田(青学)19分49秒

1位下田(青学)19分42秒①
8位太田(早大)20分43秒②2:22
3位竹下(東洋)20分24秒③4:52
10位大塚(神大)20分44秒④5:42
14位甲斐(順大)20分50秒⑤6:12
15位中川(日体)20分52秒⑤6:12
17位廣(中学)21分07秒⑦6:33
16位青木(法大)21分00秒⑧7:16

6位宇佐美(帝京)20分39秒⑨8:12
12位広瀬(駒大)20分48秒⑩8:15
4位春日(東海)20分29秒⑪8:56
18位新井(拓大)21分18秒⑫9:54
13位大森(上武)20分49秒⑬10:58
2位米満(創価)20分15秒⑭11:16
11位小山(山学)20分47秒⑮11:46[15]11:46
5位林(大東)20分35秒⑰13:30[15]11:46
19位小坂(日大)21分22秒⑯12:37[17]12:37
8位東島(明大)20分43秒⑱14:25[18]13:28
7位熊耳(國學)20分42秒⑲17:16[19]14:09

OP金子(連合)20分41秒(20)22:37[20]16:37
20位本多(国士)21分32秒⑳33:25[21]21:50
 青学・下田選手が飛ばしていく。苦しみながらもトップを守って運んでくれた7区ランナーに感謝の気持ちを示すがごとく快調な走りだ。前回区間記録に16秒と迫ったこともあり、やはり20年間破られていない区間記録がターゲットとなっている。後ろのルーキー早大・太田選手もここまでは悪くない走りだが、7㎞弱で1分開けられたのは辛いところだろう。何とか自分の走りをしていきたいところ。

 後ろ3位東洋・竹下選手が早い入りを見せて4位以下を突き放しにかかる。4位以下はほとんどがややゆったりな入り。ただ、10位でスタートした帝京・宇佐美選手が駒大・広瀬選手を交わしてシード権から逃げにかかっている。追ってくる11位東海・春日選手は力のあるランナーだ。この時点で10位駒大と41秒差。じりじりと詰め寄っている。すぐ後ろにいた拓大・新井選手はほとんど姿が見えなくなっていた。

 更に後ろの方では序盤から早いペースで走るランナーが多い。これまでの力からして意外なのは創価の1年生・米満選手でここまで2番目のタイム。山学の4年生・小山選手を突き放した。茅ケ崎ではその小山選手にちょうど林選手が追いついた格好だ。また、日大・小坂選手を挟んで、明大・東島、國學・熊耳、連合・金子選手もそれぞれ単独走ながら早いタイムで走っている。

遊行寺坂15.6㎞-茅ヶ崎6.7㎞=8.9㎞

参考:92回下田(青学)26分33秒

1位下田(青学)26分18秒①
12位太田(早大)28分12秒②4:16
8位竹下(東洋)27分39秒③6:13
2位大塚(神大)27分16秒④6:40
3位甲斐(順大)27分30秒⑤7:24

7位中川(日体)27分38秒⑥7:32
10位廣(中学)27分51秒⑦8:06
5位青木(法大)27分37秒⑧8:35
13位広瀬(駒大)28分13秒⑨10:10
14位宇佐美(帝京)28分16秒⑨10:10
9位春日(東海)27分47秒⑪10:25
17位新井(拓大)28分30秒⑫12:06
5位米満(創価)27分37秒⑬12:35
15位大森(上武)28分21秒⑭13:01
11位林(大東)27分56秒⑯15:08[15]13:24
18位小山(山学)28分50秒⑮14:18[16]14:18
4位熊耳(國學)27分36秒⑲18:34[17]15:27
16位東島(明大)28分26秒⑱16:33[18]15:36
20位小坂(日大)29分40秒⑰15:59[19]15:59
OP金子(連合)28分14秒(20)24:33[20]18:33
19位本多(国士)29分08秒⑳36:15[21]24:40
 下田選手は飛ばしていく。本気で区間新記録を狙っているのだろう。遊行寺坂での古田選手のタイムがないので比較が難しいが、昨年の自分より22秒早い。これだけ飛ばされたら後ろのチームはひとたまりもない。実際この定点間の2番目のタイムの選手より56秒早く、早大・太田選手が8.9㎞で1分54秒も離されたのは、あまりの強さに笑うしかないといったところ。優勝争いの興味から区間記録の興味に移さざるを得なくなった。

 3位~8位は、3位竹下選手を除いて、全員がペースアップ。特に4位神大・大塚選手が初駅伝ながら素晴らしい走りで2番目のタイム、昨年経験している順大・甲斐選手も日体・中川選手を振り切って単独で5位に浮上した。また、8位法大・青木選手は20㎞初挑戦だったが、駅伝3回目の中学・廣選手を追い上げる健闘ぶりを見せていた。

 シード権争いは緊張感が増してきており、先ほど9位に浮上しかけた宇佐美選手が行ききれず広瀬選手と並走。力なのか牽制なのかわからないが2人とも13番14番。この間はタイム的にはそうでもなかった春日選手が15秒差にまで追ってきた。2年前も区間5位で走っているランナーだ。やはり追いついてくるものかと思われた。

 後ろはペースを落とす選手がいるものの保っているランナーが2名。米満選手が本当に調子よく、上武・大森選手を交わしていくと、ペースの上がらい拓大・新井選手が見えてくるようになった。また、國學・熊耳選手が調子よく、小坂・東島選手と次々と交わしていった。全日本でも好走していましたが力は本物だったようだ。ようやく國學院大が選手層を生かし始めている。




影取18.4㎞-遊行寺坂15.6㎞=2.8㎞

参考:92回下田(青学)8分49秒

1位下田(青学)8分56秒①
15位太田(早大)9分34秒②4:54
6位竹下(東洋)9分09秒③6:26
2位大塚(神大)8分58秒④6:42
7位甲斐(順大)9分10秒⑤7:28
14位中川(日体)9分27秒⑥8:03
12位廣(中学)9分20秒⑦8:30
5位青木(法大)9分05秒⑧8:44
3位広瀬(駒大)9分01秒⑨10:15
4位春日(東海)9分02秒⑩10:31
10位宇佐美(帝京)9分17秒⑩10:31
15位新井(拓大)9分34秒⑫12:44
8位米満(創価)9分11秒⑬12:50
13位大森(上武)9分25秒⑭13:30
11位林(大東)9分19秒⑯15:31[15]13:47
20位小山(山学)9分47秒⑮15:09[16]15:09
9位熊耳(國學)9分16秒⑲18:54[17]15:47
17位東島(明大)9分36秒⑱17:13[18]16:16
19位小坂(日大)9分39秒⑰16:42[19]16:42
OP金子(連合)9分22秒(20)24:59[20]18:59
17位本多(国士)9分36秒⑳36:55[21]25:20
 遊行寺坂を超えてさすがに下田選手のペースが鈍ってくる。顔の表情も歪み始めてきた。ここから昨年の自分と同じペースで行ければ区間記録が見えてくるが何とか押し戻せるかどうか。他では4位大塚選手が調子よく、竹下選手との差を100m以内に。登りも非常な強さを見せている。青木選手も廣選手との差が100m以内へ。上位チームの争いもまだまだ目が離せない。

 さて、シード権争いが急を告げる。遊行寺坂に入った瞬間に広瀬選手がスパート。確かに余裕がありそうだったが、坂は3番目のタイムと躍進、力をためていた。宇佐美選手が一気に首が降れフォームがぶれ始めた。それを春日選手が容赦なく襲い掛かる。ここまで苦しんでいた東海大が上級生の力で10位まであげてきた。ただ、宇佐美選手もさすがにこれには食らいつき、10位タイ。まだまだシード権争いは分からない。


平塚中継所21.4㎞-影取18.4㎞=3.0km

参考:92回下田(青学)9分10秒

1位下田(青学)9分25秒①
16位太田(早大)10分03秒②5:32
6位竹下(東洋)9分37秒③6:38
2位大塚(神大)9分27秒④6:44
13位甲斐(順大)9分48秒⑤8:01
15位中川(日体)10分00秒⑥8:38
11位廣(中学)9分45秒⑦8:50
7位青木(法大)9分38秒⑧8:57
8位広瀬(駒大)9分40秒⑨10:30
8位春日(東海)9分40秒⑩10:46

10位宇佐美(帝京)9分42秒⑪10:48
4位米満(創価)9分30秒⑫12:55
12位新井(拓大)9分46秒⑬13:05
3位林(大東)9分29秒⑮15:35[14]13:51
14位大森(上武)9分58秒⑭14:03[15]14:03
5位熊耳(國學)9分35秒⑲19:04[16]15:57
18位小山(山学)10分15秒⑯15:59[17]15:59
17位小坂(日大)10分06秒⑰17:23[18]17:23
20位東島(明大)10分35秒⑱18:23[19]17:26
OP金子(連合)9分49秒(20)25:23[20]19:23
19位本多(国士)10分23秒⑳37:53[21]26:18
 下田選手が懸命に走る。序盤のハイペースから苦しくなってきていたが夢の区間記録更新へ走る。残り1㎞地点で2分42秒の猶予だったが、そこまでの余力はなかった。それでも2年連続64分21秒の好タイムでまとめたのはさすがだった。また、マラソン挑戦へ目標を向けるのだろう。

 2位は大きく離され最終的には5分32秒、この区間だけで4分以上離された。太田選手は最終的にはやや失速という形となってしまった。優勝の可能性が遠のいていく中、練習通りの走りをしていくのは1年生には予想以上に難しいことなのかもしれない。かくして、優勝争いはほぼ決したといっていいだろう。

 その後ろ、いつのまにか1分ほどまで差が詰まっていた竹下選手、その後ろすぐに大塚選手が迫っていた。神大が本当に健闘しておりトップ3を狙えるのではという位置にいる。5位は甲斐選手がしっかり浮上で4年生の役目を果たす、中川選手は最後苦しく、廣選手と青木選手がすぐ後ろに追い上げていた。法大は本当に健闘で4年ぶりのシード権が手中に入ってきた。

 そのシード権は法大の1分30秒程後ろ、広瀬選手が春日選手から逃げ切って9位をキープし粘りがあるという2年生へ、10位で繋いだ東海の次のランナーは9区の中では1万自己ベストはトップのランナー、2秒差で踏みとどまった帝京は長い距離は得意という1年生…実績的には東海大が分がありそうだが、果たしてどうなるだろうか。

 12位以下はやや差が離れたが、最後までしっかり走り切った米満選手が新井選手まで捉えて浮上してきた。元々8区から10区は自信があったという創価大が僅かにシード権への可能性を残したか。新井選手はペースを上げきれずやや誤算だっただろうか。その後ろは総合では15位の大東・林選手がやってきた。最後は素晴らしいスパートを見せて、上武・大森選手も交わしてきた。大東大が復路で一桁順位を続けてあきらめずに追い上げてきている。

 その後ろではこれまたいい走りを見せ続けた総合19位の國學院熊耳選手が16番目へ。遊行寺坂から脚が止まった小山選手を交わしていた。山学はここでシード権はほぼ苦しくなかったか。続いて両者とも失速した小坂・東島選手。日大は連続区間最下位で大きくダウン、東島選手は最後の3㎞は一番悪い走りとなり非常に厳しくなってしまった。

 この時点で17分半過ぎ、往路はいつも以上に詰まっていた印象だったがここにきてやはり差が広がってきたか。連合・金子選手はそこまで悪くなかったが繰り上げを回避が精一杯となった。国士・本多選手はここでもやはり苦しく、総合19位のチームから19分差となってしまった。



フリーダムTwitter




第93回箱根駅伝を振り返る~7区編






区間賞石橋選手の定点間は2位-4位-9位、それでも4年生としてゲームチェンジャーへ
二宮から大磯までは城越・細川選手がトップ!作戦を生かす
大磯から中継所は兄から力水を得た太選手がトップ!1秒差で井戸選手!
その井戸選手から1分03秒で踏ん張った駅伝男・田村選手!
7区
定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位

二宮11.6㎞

参考:88回設楽(東洋)33分51秒

1位田村(青学)34分17秒①
4位井戸(早大)35分01秒②2:52
5位小笹(東洋)35分05秒③5:22

15位難波(順大)35分52秒④5:24
5位中平(神大)35分05秒⑤6:12
9位海老澤(中学)35分12秒⑥6:31
7位城越(日体)35分09秒⑦6:49
11位細川(法大)35分21秒⑧7:41
3位岩佐(帝京)34分58秒⑨8:14
14位伊勢(駒大)35分30秒⑨8:14
2位石橋(東海)34分42秒⑪9:32
18位石垣(日大)36分07秒⑪9:32
16位苅田(拓大)35分59秒⑬9:40
16位橋立(上武)35分59秒⑭9:53

20位古場(創価)36分20秒⑮11:03
13位久保(山学)35分23秒⑯11:23
12位鈴木(大東)35分22秒⑰13:53[17]12:09
8位磯口(明大)35分11秒⑱14:26[18]13:29
9位内田(國學)35分12秒⑲17:00[19]13:53
OP藤井(連合)36分14秒(20)21:59[20]15:59
19位戸澤(国士)36分19秒⑳30:52[21]19:40
 トップ、青学大は出雲と全日本と連続で区間賞を獲得した田村選手を一般的に繋ぎ区間と言われる7区で起用してきた。12月30日に発熱した影響で万全ではなかったものの、走り出したらさすがの走り。ここまでは断トツの区間トップ、区間記録にも近いタイムだ。田村対策として早大が急遽回した井戸選手をみるみる突き放す。前回9区区間賞の選手だが、それでも及ばないようだ。10㎞地点の給水で水分が逆流してくる異変はあったらしいが、二宮のフリーザのダンスにニヤリとする余裕があった。原監督も「楽勝」というのもわかる感じだ。

 その後ろでは順位変動が起きていた。東洋・小笹選手が小田原の地点で45秒差のあった順大・難波選手を逆転。伸びのあるストライドで一気に追い抜いて行った。再び東洋がトップ3に浮上だ。5位神大・中平選手と6位中学・海老澤選手の差は10秒前後を行き来し7位日体・城越選手もしっかりついてきている。

 シード権争いは激しくなっており、8位法大・細川選手の後ろに25秒差があった駒大・伊勢選手が5㎞地点10秒差に詰め寄った。ただ、その後はじりじり開き、逆に帝京・岩佐選手がハイペースを刻み続け、伊勢選手に追いつく健闘ぶりだ。その次になる11位は1分以上差があいた。1分以内だった日大・石垣、拓大・苅田、上武・橋立選手がペースが上がらなかったためだ。それを一気に交わした選手がいる。東海・石橋選手だ。2年生の時は7区昨年は4区といずれもこの区間を走り区間上位で走っている。道を知り尽くしている彼がここまで区間2位。くすぶっていた東海大がついに追い上げを開始している。

 他、下位の選手がある程度踏ん張っていて、山学・久保、大東・鈴木選手がまずまずのタイムで通過後、明大・磯口選手と國學・内田選手が区間一桁となるタイムでやってきた。大東以下はシード権は厳しい状態だが、総合力で勝負するタイプのチームなだけに、このあたりの区間は何とか追い上げる区間にしたいところ、必死の走りが続いている。


大磯18.1㎞-11.6㎞=6.5㎞

14位田村(青学)20分54秒①
5位井戸(早大)20分26秒②2:24
9位小笹(東洋)20分34秒③5:02
3位中平(神大)20分12秒④5:30
15位難波(順大)21分00秒④5:30
1位城越(日体)20分09秒⑥6:04
10位海老澤(中学)20分36秒⑦6:13
1位細川(法大)20分09秒⑧6:56
11位岩佐(帝京)20分42秒⑨8:02
11位伊勢(駒大)20分42秒⑨8:02
4位石橋(東海)20分21秒⑪8:59
7位苅田(拓大)20分31秒⑫9:17
17位橋立(上武)21分08秒⑬10:07
20位石垣(日大)22分18秒⑭10:56
15位久保(山学)21分00秒⑮11:29
18位古場(創価)21分20秒⑮11:29
7位鈴木(大東)20分31秒⑰13:46[17]11:46
6位磯口(明大)20分29秒⑱14:01[18]13:04
13位内田(國學)20分50秒⑲16:56[19]13:49
OP藤井(連合)21分11秒(20)22:16[20]16:16
19位戸澤(国士)21分43秒⑳31:41[21]20:29
 田村選手に異変が起こった。12㎞地点で内臓が体にブレーキをかけるような感覚に襲われていた、このあたりから1㎞のラップが3分05秒~10秒程へ。15㎞過ぎから表情が非常に険しくなると、16㎞-17㎞が一気に3分22秒まで落ちた。前半に大量にかいた汗が向かい風邪で冷えて、脱水と低体温の症状にかかってしまったそうだ。体調不良の影響もあっただろう。後ろの早大とはまだ2分以上の差をキープしていたが、ラスト数㎞でどうなることかと思われた。

 3位争いは一時難波選手が粘りを見せていたものの、小笹選手が抜け出し決着。難波選手はこの間3番目のタイムで走破した中平選手に捉えられる。小笹選手の姿も見えており、神大が再びトップ3まで戻る可能性も出てきた。なお、1番良いタイムで走っていたのは日体・城越選手と法大・細川選手。城越選手は海老澤選手を捉えて6位へ浮上、細川選手は後ろの9位争い伊勢・岩佐選手を大きく突き放す。もともと力を持っている2人が実力を出している。

 さて気になる11位石橋選手はついに前2人を57秒差。何とかすれば前が見えるかもしれないというところまでやってきた。全日本以降良い練習ができておらず、前日まで起用を悩んだそうですが、ここまではいい走りとなっている。後ろは苅田選手は踏ん張っているが、上武大以降はちょっと苦しくなってきた。

 後ろは、大東・鈴木選手や明大・磯口選手は相変わらずいいペースだ。内田選手はちょっと引き離されたか。後ろ、1年生ながら連合入りした藤井選手は何とかペースをキープしているが、国士・戸澤選手はなんと見た目20分半まで広がってしまった。長い距離が得意な選手なだけに何とか押し戻したいが、果たしてどうなるか。


平塚中継所21.3㎞-大磯18.1㎞=3.2㎞

19位田村(青学)10分29秒①
2位井戸(早大)9分26秒②1:21
8位小笹(東洋)9分37秒③4:10
9位中平(神大)9分39秒④4:40
3位城越(日体)9分27秒⑤5:02
16位難波(順大)10分03秒⑥5:04
1位海老澤(中学)9分24秒⑦5:08
5位細川(法大)9分31秒⑧5:58
6位伊勢(駒大)9分36秒⑨7:09

12位岩佐(帝京)9分42秒⑩7:15
9位石橋(東海)9分39秒⑪8:09
4位苅田(拓大)9分30秒⑫8:18
17位橋立(上武)10分13秒⑬9:51
11位久保(山学)9分41秒⑭10:41
13位古場(創価)9分43秒⑮10:43
6位鈴木(大東)9分36秒⑰12:37[16]10:53
20位石垣(日大)10分30秒⑯10:57[17]10:57
15位磯口(明大)9分52秒⑱13:24[18]12:27
14位内田(國學)9分49秒⑲16:16[19]13:09
OP藤井(連合)9分51秒(20)21:38[20]15:38
18位戸澤(国士)10分23秒⑳31:35[21]20:23
 田村選手が懸命に前へ進んでいく。2年前から任意の給水が禁止され、脱水症状等のアクシデントの場合は止まってからでないと給水できないルールとなっているのをこの時初めて知った。非常に苦しい状況だったが、1㎞3分30秒をオーバーしないのは普段からの積み重ねか、襷やチームに込められた思いの力なのか。すべてを振り絞って、8区下田選手へ"笑顔"で襷リレー。大磯以降を区間2番目のタイムで走破し懸命に追い上げた井戸選手を1分21秒までに止めたといっていいだろう。総合でも区間11位、これもまた駅伝男として新たな1ページを刻んだと言っていいだろう。

 3位は小笹選手が繋ぎ、30秒後には中平選手がやってきた。2年連続7区だったが、前回からの上積みがしっかりあった。その後ろは難波選手…を城越選手が抜いて中継所に飛び込んできた。区間トップと1秒差の区間2位で往路13位から2区間で5位にあげてきた。日体大が持ち味をしっかり発揮しただろう。その後ろは太選手が再度追い上げた。なんと大磯以降はトップのタイムだった。10㎞地点で兄・剛選手からもらった力水が最後に活きたのだろう。

 8位は細川選手がしっかりキープ。前回5区の彼を平地に回して稼ぐ作戦だったそうだが見事に役割を果たした。9位争いは伊勢選手が制し9位駒大、10位帝京となった。11位石橋選手はさすがに息切れしていたが、それでも1分以内はキープ。さらに、前半の貯金が生きて区間賞も獲得。田村選手の失速の情報も耳にしていたそうでアシストとなったか。4年生がゲームチェンジャーとなりそうだ。直後にやってきた苅田選手も粘り、拓大も昨年とは違う展開に持ち込もうとしている。後ろは1分半離れ、ひとまずはシード権争いが絞られたとみていいか。

 13位上武・橋立選手のあと選手がやってこない。1分ほどあいてやってきたのは創価・古場選手…を直前で久保選手が交わして飛び込んできた。久々に山学が順位をあげる展開にできたようだ。直後には10秒差で一斉スタートだった鈴木選手が終盤に粘りの走りを見せてやってきた。その後ろは11位だったはずの日大・石垣選手が見た目6番順位を落としてやってきた。二宮以降は全くペースを上げられなかったようで、日大の懸念された選手層がここで露呈してしまった。

 そのあと、ポツンポツンとした感じで磯口選手、内田選手、藤井選手が繋いだ。ここで見た目トップとの差15分38秒だったが、直後に出てきた国士大の8区の選手は繰り上げ用襷を付けていた。それくらい後れを取ってしまっていた。トップがアクシデントあっただけに何とかと思ったが、無念の繰り上げスタート。戸澤選手も大磯からトップを6秒しか追い上げられなかった。どうにも負の連鎖を止められなかった。様々なドラマがあった中、箱根路は終盤に入り始める。


フリーダムTwitter







第93回箱根駅伝を振り返る~6区編






"山オタク"8秒の上積みはどこで/青学と神大の終盤の伸び/無欲の58分台1年生
6区
定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位

芦之湯4.8㎞

参考:92回秋山(日体)15分53秒
参考:92回小野田(青学)15分58秒

1位小野田(青学)16分02秒①
8位石田(早大)16分29秒②1:00
7位橋本(順大)16分28秒③2:50
13位堀(東洋)16分38秒④3:16
11位物江(駒大)16分37秒⑤4:36
4位鈴木(神大)16分18秒⑥4:42
17位樋口(中学)16分55秒⑦5:28
14位馬本(上武)16分39秒⑧6:05
19位作田(創価)17分02秒⑨6:40
2位秋山(日体)16分03秒⑩6:45
6位横井(帝京)16分26秒⑩6:45
11位町井(日大)16分37秒⑩6:45
5位佐藤(法大)16分24秒⑬6:55
3位馬場(拓大)16分10秒⑭6:59
10位中島(東海)16分34秒⑮8:31
15位秦(山学)16分42秒⑯8:51
9位浦野(國學)16分30秒⑲13:35[17]10:28
OP桜庭(連合)16分30秒(20)16:28[17]10:28
16位鴇澤(大東)16分48秒⑱12:30[19]10:46
18位田中(明大)16分56秒⑰11:51[20]10:54
20位福田(国士)17分12秒⑳22:22[21]11:10
 先頭でスタートした青学・小野田選手は、前回1年生で58分半ばの衝撃の走りをしたランナー。全日本で区間賞を獲得するなど平地の走力もあがった中、上位陣の中では非常に抜けている存在だ。芦之湯では2位との差は1分、3位とは2分50秒へ。早大・石田、順大・橋本選手もまずまずだが、抜けている。このまま開き続けるものと思われた。

 次に登りの部分で飛ばしているのは、区間記録保持者の秋山選手は勿論だ。すでに3人抜きを果たしている。帝京・横井選手や法大佐藤選手も早い入りだし、日大・町井選手は昨年の経験者なのだが、しっかりととらえて言っているあたり本当に強い。その後ろ、拓大の実力者の馬場選手も少しずつ追い上げ始めている。

 他では神大・鈴木選手も早い入りで、早くも駒大・物江選手の背後に迫っている。昨年は失敗した選手だが、ここでプラスになるようならとても大きいがどうか。逆に鈴木選手のすぐ後ろにいた中学・樋口選手が昨年より1分スローのタイム。故障明け7割ほどということだが、やや慎重な入りとなっている。最後の一斉スタートでは1年生の國學・浦野選手と日本薬科大として初出場となる連合・桜庭選手が飛ばしている状況だ。


小涌園前9.0㎞-芦之湯4.8㎞=4.2㎞

参考:92回秋山(日体)10分38秒
参考:92回小野田(青学)10分50秒

5位小野田(青学)10分52秒①
6位石田(早大)10分54秒②1:02

7位橋本(順大)10分59秒③2:57
13位堀(東洋)11分08秒④3:32
18位鈴木(神大)11分20秒⑤5:10
19位物江(駒大)11分26秒⑤5:10

2位樋口(中学)10分41秒⑦5:17
12位馬本(上武)11分07秒⑧6:20
1位秋山(日体)10分37秒⑨6:30
3位町井(日大)10分47秒⑩6:40
4位佐藤(法大)10分51秒⑪6:54
8位横井(帝京)11分01秒⑪6:54
16位作田(創価)11分11秒⑬6:59
10位馬場(拓大)11分05秒⑭7:12
9位中島(東海)11分01秒⑮8:40
17位秦(山学)11分19秒⑯9:18
14位浦野(國學)11分10秒⑲13:53[17]10:46
14位鴇澤(大東)11分10秒⑱12:48[18]11:04
11位田中(明大)11分05秒⑰12:04[19]11:07
OP桜庭(連合)11分48秒(20)17:24[20]11:24
20位福田(国士)11分38秒⑳23:08[21]11:56
 下りに入り、まずまず飛ばしている小野田選手だが、実は7㎞付近から差し込みがきたらしい。それでもこの定点間、昨年の自分とは2秒遅れただけ。2位石田選手や橋本選手あたりこのあたりは差は依然として離している状況となっている。

 差が詰まっていた5位争いは6㎞過ぎに鈴木選手が物江選手を捉える場面があったものの、驚くことに下り始めてからはかなりスロー。むしろ、登りがスローだった樋口選手が大幅にペースを上げてきて、いつのまにかすぐ後ろに迫っていた。また大混戦の8位から14位だが、先ほど並んでいた秋山・町井・横井選手の順番に分かれ、9位から11位へ。秋山選手は上武・馬本選手の背後に迫る。また、横井選手には佐藤選手が追いつくという健闘ぶり、何気に速いタイムだ。そのすぐ後ろには中々ペースを上げられない創価・作田選手が9位から13位と早くもシード権外へ弾き飛ばされている。常連校がさすがに前に出始めている。


大平台13.4㎞-小涌園前9.0㎞=4.4㎞


参考:92回秋山(日体)11分34秒
参考:92回小野田(青学)11分32秒

13位小野田(青学)11分55秒①
5位石田(早大)11分39秒②0:46
5位橋本(順大)11分39秒③2:41

9位堀(東洋)11分47秒④3:24
3位樋口(中学)11分32秒⑤4:54
13位鈴木(神大)11分55秒⑥5:10
17位物江(駒大)12分08秒⑦5:23
2位秋山(日体)11分26秒⑧6:01
1位佐藤(法大)11分18秒⑨6:17
7位町井(日大)11分44秒⑩6:29
16位馬本(上武)12分04秒⑩6:29
11位横井(帝京)11分50秒⑫6:49
11位馬場(拓大)11分50秒⑬7:07
19位作田(創価)12分11秒⑭7:15
8位中島(東海)11分45秒⑮8:30
15位秦(山学)12分00秒⑯9:23
4位鴇澤(大東)11分38秒⑱12:31[17]10:47
10位田中(明大)11分48秒⑰11:57[18]11:00
18位浦野(國學)12分09秒⑲14:07[18]11:00
OP桜庭(連合)12分41秒(20)18:10[20]12:10
20位福田(国士)13分06秒⑳24:19[21]13:07
 この定点間にある宮ノ下と大平台でおや?と思ったファンも多かっただろう。1位小野田・2位石田選手の差が45秒前後に縮まっていた。一番傾斜がきつくなる場面でさすがに小野田選手もスローダウンせざるを得なかったか。4㎞少しで前回の自身のタイムより23秒遅い。元々昨年ほどの状態ではなかったことも影響していたか。後ろの橋本選手や急遽6区を走ることになった東洋・堀選手も詰めてきており、ここもちょっとヒヤッとするポイントだった。

 5位争いはやはり樋口選手が先ほどの定点の直後に交わしていき、浮上している。さすがの好走だ。鈴木選手はそれにある程度ついて言っているが、7位に下がった物江選手が苦しい。年末にインフルエンザにかかったそうだが、やはり影響しているだろうか。後ろは山下りの名人が走っているが、差が気になってくる。

 8位には馬本選手をすでに交わしている秋山選手がやってきたが、とても快調でこの定点間から昨年の自分を上回り始めている。ここまでやや区間記録からは遅かったものの再び期待がかかってくる。ところが、この定点間、その秋山選手がトップのタイムではない。法大1年生の佐藤選手が最も早いタイムで秋山選手を詰める形となっている。11月中旬に6区候補に選ばれて61分を切れればというところだったそうだが、これは驚きの走り。秋山選手が5人抜き、佐藤選手も3人抜きの好走だ。

 逆に往路初の一桁順位ターンとなった上武大と創価大は定点間下位の走りが続き、順位意を下げ続け、11位と14位へ。シード権獲得のためにはここから少しでもあげたいがどうだろうか?その後ろ、逆転シード権をかける強豪校は明暗が分かれ始め、東海・中島選手がまずまずのタイムで下っており、望みを繋げる。山学・秦選手は昨年よりはいいものの、区間15番前後のタイムとなっており、じりじりとタイム差が開いている。彼も故障明けらしい?が、山学大がここでも波に乗れない。

 一斉スタート組では、前回60分前半でまとめた大東・鴇澤選手がここで大幅にペースアップ、前に行っていた明大・田中選手や疲れが見え始めた國學・浦野選手を捉えて前を追っている。その後ろは完全にしっそっく、登りが得意という連合・桜庭選手はそこから1分以上遅れ、国士・福田選手もそこから1分近く後ろ、かなり厳しい状況となった。




函嶺洞門17.0㎞-大平台13.4㎞=3.6㎞

参考:92回秋山(日体)9分26秒
参考:92回小野田(青学)9分29秒

2位小野田(青学)9分28秒①
14位石田(早大)9分53秒②1:11
13位橋本(順大)9分52秒③3:05
10位堀(東洋)9分44秒④3:40
6位樋口(中学)9分36秒⑤5:02
3位鈴木(神大)9分30秒⑥5:12
1位秋山(日体)9分22秒⑦5:55
18位物江(駒大)10分05秒⑧6:00
3位佐藤(法大)9分30秒⑨6:19
8位町井(日大)9分38秒⑩6:39
16位馬本(上武)10分04秒⑪7:05
12位横井(帝京)9分46秒⑫7:07
9位馬場(拓大)9分42秒⑬7:21
16位作田(創価)10分04秒⑭7:51
5位中島(東海)9分34秒⑮8:36
10位秦(山学)9分44秒⑯9:39
7位鴇澤(大東)9分37秒⑱12:40[17]10:56
15位田中(明大)9分56秒⑰12:25[18]11:28
19位浦野(國學)10分24秒⑲15:03[19]11:56
OP桜庭(連合)10分31秒(20)19:13[20]13:13
20位福田(国士)12分00秒⑳26:51[21]15:39
 一時ファンがざわざわしたトップとの差だが、ここで一気に開き始めた。差し込みが治ったという小野田選手が走りが戻って、昨年の走りとなってきた。そして石田選手は14番目のタイムへ。足裏の皮がむけてかなりカーブでの踏ん張りが利かなくなってきたとのこと、やはり予想通り差は開いてきそうな感じだ。

 この定点間は再び秋山選手がトップで、更に累積でも前回の自分を3秒上回った。前半やや抑え目にしていのがここから活きそうな予感だ。物江選手も交わしてすでに7位にあがっている。その前を走っている神大・鈴木先週がここにきて一気にペースアップ。一旦開いた樋口選手との差を詰めにかかっており、どうやら昨年のようなことはなさそう、むしろ貯金しそうだ。

 シード権争いは町井選手が頑張って再度単独10位へ浮上、馬本・横井・馬場選手をじりじり引き離しにかかっている。7区8区が1年生なだけに何とか貯金を作りたい。作田選手は苦しく失速。後ろの中島選手が急追し始めている。


小田原中継所20.8㎞-函嶺洞門17.0㎞=3.8㎞

参考:92回秋山(日体)10分38秒
参考:92回小野田(青学)10分42秒

1位小野田(青学)10分31秒①
13位石田(早大)11分28秒②2:08
11位橋本(順大)11分15秒③3:49
12位堀(東洋)11分25秒④4:34
4位鈴木(神大)10分43秒⑤5:24
8位樋口(中学)11分05秒⑥5:36
2位秋山(日体)10分33秒⑦5:57
5位佐藤(法大)10分49秒⑧6:37
14位物江(駒大)11分32秒⑨7:01
6位横井(帝京)10分57秒⑩7:33
16位町井(日大)11分34秒⑪7:42
9位馬場(拓大)11分08秒⑫7:58
17位馬本(上武)11分37秒⑬8:11
19位作田(創価)11分40秒⑭9:00
7位中島(東海)11分02秒⑮9:07
10位秦(山学)11分09秒⑯10:17
3位鴇澤(大東)10分39秒⑰12:48[17]11:04
18位田中(明大)11分38秒⑱13:32[18]12:35
15位浦野(國學)11分33秒⑲16:05[19]12:58
OP桜庭(連合)11分20秒(20)20:02[20]14:02
20位福田(国士)12分30秒⑳28:50[21]17:38
 下りの部分よりラストの平地の方が差がつくとよく言われるが、今回のワンツーは如実に現れた。小野田選手が最後の平地が昨年の自分よりも大幅に短縮しトップ。差し込みがなくなって体力が有り余っていたようだ。最終的には58分台出したのはやはり力がある。対して、足の皮が垂れていた石田選手は悪いなりにはまとめたものの、この間だけで57秒差。一気に2分以上の差がつき、早大から青学が視界に消えた。総合優勝は青学がかなり有利になったと言えそうだ。

 その後、中盤まで健闘し下りの適性を見せた3位橋本選手、急造6区で61分を切った堀選手を挟んで、大混戦の5位以下。大平台からギアを変えた鈴木選手が樋口選手を再度交わして5位へ浮上、タイムも59分台で12年ぶりシード権へとてもいい流れを作った。樋口選手も7割程度ながらさすが職人と癒える走りだった。

 さて、その後ろだ。ほぼ区間記録更新は確実となった秋山選手がやってきた。夢の57分台が出せるかどうか注目が集まり、それには後わずかに届かなかったものの、1年かけて8秒捻出。何度かコースの変更があった中、その歴代ランナーを含め"下りオタク"が史上最も早く6区を走ったランナーとなった。チームとしても6人抜きで7位へ進出。一気にシード権争いで優位に立った。8位にはこちらも4人抜きを果たした1年生がやってきた。法大・佐藤選手が58分台をマーク。しかも、本人は足裏に痛みを感じていたのに血豆は一切できていなかったとか。法大は躍進するときは6区が想定外にいい時が多いような??秋山選手も凄いがこちらも拍手ものだ。

 ここからシード権争いが本格化する。最後9位まで落ちてしまった駒大・物江選手、ラストで10位に浮上してきた帝京・横井選手がシード権内。先ほどの定点で10位に差を付けた日大・町井選手が最後に勿体ない失速で11位へ。鬼門の6区を後半足が痙攣しながらも59分台で走破した拓大・馬場選手が12位、何とかシード権が見える位置にとどまった上武・馬本選手が13位。このあたりはまだ混戦だ。

 その後ろやや引き離された創価・作田選手に、東海・中島選手がすぐ後ろに追いつく。1年生が苦しんだこの大会だったが、6区はあまり関係ないのか。シード権が少し近づいた。その後ろ、ラストの平地は踏ん張った山学・秦選手。ただ、一人旅になってしまった印象だ。果たして追いつくことが出来るか。

 そこから後ろは一斉スタート。大東・鴇澤選手が終盤に猛チャージして59分台。他の選手には惑わされず緻密な作戦を感じる。明大・田中、國學・浦野選手が何とか61分台。そこから1分遅れて連合・桜庭選手。登りと平地は区間10番ほどであり下りを走れる選手がいなかったとみるべきか。その直後にCMが挟まってびっくりしたが、国士・福田選手が66分かかった。大平台からは下りだが1㎞3分ペースを大幅にオーバーしており、非常に厳しいレースとなった。早くも繰り上げを気にするタイム差となった。

フリーダムTwitter





プロフィール

hakonankit

Author:hakonankit
FC2ブログへようこそ!

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR