2010/01/15
箱根駅伝論評~山梨学院大学
往路2位、復路7位
(予想:往路5位復路1位総合1位、2区3区5区6区7区9区の6区間正解☆)
区間、名前(学年)、区間タイム、区間順位、(総合順位)、トップとの差
1区松枝翔(2年)1時間3分16秒区間7位(7)49秒
2区高瀬無量(3年)1時間9分03秒区間7位(7→3)56秒
3区オンディバ・コスマス(2年)1時間3分04秒区間2位(3→2)52秒
4区後藤敬(4年)58分59秒区間14位(2→5)3分54秒
5区大谷康太(4年)1時間21分16秒区間2位(5→2)3分36秒
6区田口恭輔(2年)1時間00分09秒区間3位(2→2)2分50秒
7区小山大介(4年)1時間6分33秒区間11位(2→2)4分27秒
8区岩田真澄(4年)1時間7分54秒区間9位(2→2)5分25秒
9区中川剛(4年)1時間12分13秒区間9位(2→3)5分20秒
10区大谷健太(4年)1時間13分19秒区間9位(3→3)5分33秒
【敢闘賞】松枝翔…ハイペースの1区に対応
【殊勲賞】大谷康太…最初で最後の箱根路は5区2位
【技能賞】高瀬無量&田口恭輔…しっかりとしたペース配分&6区で59分台
【(激励の)喝】オンディバ・コスマス…思惑が狂い始めた
【喝】小山大介…総合優勝の可能性が消えてしまった
山梨学院が見せ場を作ったといえば、今回は
山だろう。5区は3年連続の高瀬かと思いきや、初の箱根路の
大谷康太。トラックは3障で絶好調。駅伝も出雲は見せ場を作り、全日本も(多分急遽)初のエース区間でしっかり繋いでいた選手。だが、登りの適正はよく分からなかっただけに不安はあった。
が、その心配は杞憂だった。序盤から早大八木らと競いながらまずまずのペースで登る。12km地点で脚が痙攣したそうだが、それにもめげず、後ろから上がってきた中大大石を振り切り、明大も抜いて2位浮上。その後もペースを乱さず、終わってみると大石や深津など実績のある選手より上回る区間2位。3障で鍛えた脚力を存分に発揮してくれた。さすが、高瀬に代わっただけあった。
また、6区の田口も素晴らしい走り。秋からブレークしていたのに駅伝に出場してこないなあと思っていたが、山の準備だったのだろうか。登りはかなり苦手だったようだが、下りに入ってから、昨年60分切りの中大山下と互角の走り(これがあの事故の遠因にもなってしまったが…、いや別に田口に何の責任もない)。東洋との差を一気に45秒ほど詰めて、復路に向け流れを作ってくれた。来年、再来年も期待したいところだ。
ただ、惜しかったのは
平地で誤算があったこと。1区2区に関しては言うことはない。出雲全日本でいまひとつだった後藤に代わって1区に入った
松枝が、ハイペースの1区に対応。正直第2集団くらいかと思っていたが、全日本での走りはフロックではなかったということだ。
2区のエース区間は高瀬がきっちり対応。昨年の5区でペース配分を失敗してから、
非常に安定しており、今回もきっちりまとめあげた。
この2人は来年の山学を引っ張る存在になるだろう。
問題はここから。2区ではなく3区に回ったコスマスだが、調子は上がっていなかった感じ(2区高瀬、5区大谷康に目途が立って助かった)。序盤こそハイペースだったが、中盤からはペースをあげた明大鎧坂にじりじり引き離される。区間賞も奪われ、関カレハーフや出雲でみせていたロードの強さは、今回はなりを潜めてしまった。全日本と状態が合わせられない状況が続いている。来年からは2区を走ってもらいたいので、そこは反省してほしいと思う。
更に誤算だったのは4区後藤。駅伝シーズン1区で失敗していたが、3年連続の4区なら大丈夫と思われたが、まさかの大失速。走り始めたときから、自分の感覚と実際のペースが合わず、中盤にさしかかる前で脚が動かなくなってしまったらしい。2年の箱根から4年の春先まで順調に成長していただけに残念であった。とにもかくにも、この地点で総合優勝がやや遠のいてしまった。
それでも山が踏ん張って、7区以降の実績十分の4年生が頑張れば、総合優勝も不可能ではなかったのだが、力を発揮できなかった。
7区小山が東洋に1分30秒も引き離されてしまい、ここで事実上優勝が無くなった。トラックの持ちタイムから考えると区間11位は頂けない。7区8区あたりは序盤は先頭との差を詰めても後半引き離されるというのがよくみられるので、それを防ごうと序盤抑えさせたようだが、終盤に全くペースがあがらなかった。やはり3分近く差があるので、総合優勝を諦めないなら、ある程度は突っ込まなければならなかっただろう。
その後8区岩田主将も思うように後半あげられず、9区中川も失速(彼は最初から体が動かなかったようだが)し、駒大に抜かれ3位。10区大谷健は弟と同じく12kmから脚が痙攣。最後は何とか総合3位をキープした感じ。総合優勝を意識して大差を追うというのは中々難しいのだろう。ただ、チャンスだっただけにちょっと残念である。
来期への展望
○卒業生出走メンバー(抜けるメンバー)
後藤敬4区14位、大谷康太5区2位、小山大介7区11位、岩田真澄8区9位、中川剛9区9位、大谷健太10区9位
○在校生出走メンバー
松枝翔1区7位、高瀬無量2区7位、オンディバ=コスマス3区2位、田口恭輔6区3位
○補欠メンバー(+α)
赤峰直樹、福島慎也、松森新一、山口大徳、中原薫(藤井翼、牧野など)
さて、4年生が6人も抜けるので、現状総合優勝を狙うのはちょっと厳しくなる。最も、前回経験者の赤峰や、1万30分前後で走れるようになっている選手は大勢いるので、大きな戦力ダウンではないと思っている。彼らが今年のように順調に伸びてくれれば、昨年以上になる可能性は大いにあるというわけである。
ただ、上位にいくにはやはり5区で稼ぐのは重要。なので、高瀬が5区に戻って、コスマスが2区で勝負できるようにしてほしい。2区67分半、5区79分、6区59分でいければ東洋柏原の貯金をゼロにできるかなあと感じているがどうだろうか。とにかく、コスマス次第では来年も上位で崩れない走りは可能とみる。
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