2010/01/10
箱根駅伝論評~駒澤大学
往路8位復路2位
(予想:往路6位復路5位総合5位・区間予想→2区のみ…)
区間予想は星と上野の欠場、藤山の平地、深津の5区でもうめちゃくちゃ。順位予想も6区千葉を始め、復路の予想外の健闘で大きく外すことになってしまった。
区間、名前(学年)、区間タイム、区間順位、(総合順位)、トップとの差
1区後藤田健介(1年)1時間5分14秒区間18位(18)2分47秒
2区宇賀地強(4年)1時間8分38秒区間3位(18→13)2分29秒
3区飯田明徳(3年)1時間5分57秒区間16位(13→13)5分18秒
4区久我和弥(1年)57分42秒区間8位(13→13)7分03秒
5区深津卓也(4年)1時間21分47秒区間4位(13→8)7分16秒
6区千葉健太(1年)59分44秒区間賞★(8→6)6分05秒
7区撹上宏光(1年)1時間5分48秒区間4位(6→4)6分57秒
8区井上翔太(2年)1時間7分05秒区間4位(4→4)7分06秒
9区高林祐介(4年)1時間10分19秒区間賞★(4→2)5分07秒
10区藤山修一(4年)1時間11分45秒区間3位(2→2)3分46秒
【敢闘賞】高林祐介…9区で主将の役目果たす
【殊勝賞】深津卓也…流れを引き寄せた
【技能賞】千葉健太…山下りの6区で区間賞
【皆勤賞】宇賀地強…3大駅伝全て出場
全日本の戦いぶりから、自分は大量の1年生よりも4年生がきっちり走れるかどうかの方が心配だった。その4年生カルテット(メンバーが少し違いますが…)に注目していたが、
やはり4年生だった。
2区の宇賀地は1区の出遅れを取り戻すためにものすごく突っ込んだ。昨年も1区が遅れてしまい、追い上げを図ったがうまくいかず。しかし今年は崩れずにエースの走り。前回より大きく出遅れたため、順位は5つあげるにとどまったが、史上初の日本人による4年連続の70分切りで今回が一番いいタイム。また三大駅伝皆勤も達成。全部エース区間での起用、本当にお疲れ様と思う。
また、その他の4年も頑張った。5区深津は本調子とまではいかなかったが、5人抜きの力走でチームを盛りたてた。9区高林主将は主要区間は初めてだったが、持ち前のガンガンいく走りを存分に披露。チームを2位まで浮上させた。アンカーの藤山は下りからのコンバートだったが、問題ない走り。大八木監督の檄もあり、最後の最後まで前を追った。初めて根性走りの兄と走りが重なった印象。
とにもかくにも全員きっちり走りきった。
勿論、4年生が役目を果たしたというのは前提として、
復路は本当に頑張った。特に6区から8区は1年と2年で繋いでいる。
6区千葉はエントリーの段階で非常にびっくり。どれだけ走れるのか疑問だったが、元々クロカンをやっていたこともあり足腰は鍛えられていたようで、ここでまさかの区間賞。これで波に乗ったか、7区撹上も区間4位の走りで2人抜き。8区の井上はイーブンペースで忠実に走り、3位を射程圏内に。この地点で復路トップ。その後、高林らが確実なものにしたが、下級生だけで復路をうまく滑り出したのはかつての駒大の姿か。
それから序盤でもたついたにも関わらず、最終的に2位まで浮上したのも評価できる点。昨年も序盤で出遅れたが、このときはズルズルと引きずってしまい、8区から反撃も遅かった。しかし、今年は4区5区あたりから徐々に駒大らしさを取り戻し、最終的には1区の出遅れを忘れてしまうくらいである。誰かのミスを取り戻すというのも『らしさ』であった。
ただ、それだけに
1区の候補の上野と星が相次いで離脱してしまったのは優勝争いという観点からすると残念無念。まず全日本で1区を務めた上野が合宿で故障。当日は8区の当て馬担当。開いた1区には星が入った。経験もあるし、暑さと単独走に弱いというので適正もあったため、そのまま入るだろうと思われた。
ところがどっこい。当日変更で後藤田に。区間配置からして、多分星は区間エントリー後の離脱だったのではないか。そうでなければ、マイペース型の後藤田1区というのは無かったかと。その後藤田は予想通りハイペースに10km持たずに脱落。これはブレーキではなく、実力不足。多分復路なら区間上位で走れていたと思う。
もし1区に上野や星が出場していたら2区宇賀地も突っ込む必要なく、3区飯田ももう少し力を出していた。そうすれば、ゴールでついていた3分46秒差は果たしてどうなっていたのか考えてしまう。唯一東洋に対抗できる戦力を持っていただけにここだけは惜しかった。複数故障者が出てしまったことだけは『らしさ』がなかったということか。
それでも、予選会があったこと、出雲・全日本の戦績を考えるとよく立て直したといった方がいいだろう。
来期への展望
○卒業生出走メンバー(抜けるメンバー)
宇賀地強2区3位、深津卓也5区4位、高林祐介9区1位、藤山修一10区3位
○在校生出走メンバー
後藤田健介1区18位、飯田明徳3区16位、久我和弥4区8位、千葉健太6区1位、撹上宏光7区4位、井上翔太8区4位
○補欠メンバー(+α)
藤原昌久、上野渉、西澤俊晃、手塚任宏、(渡邉潤(前回3区21位)、油布、郡司、窪田、湯地など)
卒業生は4人とまあ平均的なのだが、2区5区9区10区と長距離区間4人とも抜けてしまうのはちょっと痛いかな。それだけ4年がきっちりしていたということだが。
それとこのチーム、新4年と3年の層が非常に薄い。新2年は充実しているが、下手すると7人衆全員来年の箱根に出場ということになる。出雲全日本は大丈夫だろうが、さすがに箱根ということになるとちょっと怖い。なので、来年に関してはちょっと厳しいかもしれない。今の1年が上級生となる88回、89回の方が面白そうかなと思う。
まあ、今年の戦い方を見たら、近いうちにまた頂点を取るかなと思う。
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