2012/02/18
箱根駅伝を振り返る-中央大学-
往路12位復路6位
総合8位:中 央 大 学
(予想:往路7位復路4位総合5位 区間:2区3区6区8区10区的中)
4区終了時で総合順位は当てられると思ったのですけどね…。5区の準備が間に合っていませんでしたか。区間配置は5区西嶋なんて予想したところで外れると思っていたので、とりあえずいいです。
区間名前(学年)区間タイム区間順位(順位変動)トップとの差(シードとの差)
1区西嶋悠(2年)62分57秒区間8位(8)54秒差
2区棟方雄己(4年)68分44秒区間4位(8→8)1分03秒差
3区渥美昂大(3年)63分47秒区間7位(7→5)2分07秒差
4区新庄翔太(1年)55分56秒区間7位(5→6)3分18秒差
5区井口恵太(4年)85分42秒区間18位(6→12)12分21秒差(1分58秒差)
6区代田修平(2年)59分34秒区間3位(12→11)12分39秒差(1分02秒差)
7区須河宏紀(2年)64分50秒区間9位(11→9)14分57秒差(-58秒差)
8区新庄浩太(3年)66分36秒区間8位(9→8)17分21秒差(-1分12秒差)
9区大須田優二(3年)72分38秒区間14位(8→10)18分53秒差(-2分44秒差)
10区塩谷潤一(3年)70分33秒区間2位(10→8)19分41秒差(-5分30秒差)
【優秀選手】代田修平…序盤から果敢に飛ばし、復路の流れを作る
【敢闘賞】塩谷潤一…どんどん前に行く走りで多くのファンを魅了、自身も区間2位
【殊勲賞】棟方雄己…2区区間4位の好走で往路の流れを作る
【技能賞】西嶋悠…1区では確実に走ってくれる
点数(80点で予想通り)
※貢献したかとかではなく、
あくまで自分のシュミレーションとどのくらいズレたかということ
80-90-80-60-60
90-70-80-80-90
棟方がエースの役割を果たし、4区まではほぼ完璧
序盤は順調すぎる程順調だった。1区の職人といってもいい西嶋選手が2位と30秒差の区間8位で滑り出すと、2区棟方選手が区間4位の走りを見せる。昨年も2区を走ったが中盤手前から失速し区間17位。しかし今年は好ペースを維持し、最後は4位集団に限りなく接近した。どちらかというとエース不在のチームで、序盤耐えてじわじわ追い上げるのだろうと思われていた。それが棟方選手の走りで一桁順位、しかもすぐ前に上位のチームが見えているという絶好の位置での展開となった。
3区もこれまた2年連続出走となった渥美選手。前回は低位置ながら区間10位の走りをみせていたので面白い存在だった。すぐには前の集団に追いつかず、中盤に入ったあたりで5位集団へ。その後は最後までその集団の中でレースを進め、混戦の中5位で襷リレーした。4区は11月に1万28分台を出したばかりのルーキー新庄選手は勢いよく一時3位に浮上する走りをみせる。その後失速してしまったのが、ちょっと残念なのだが、ひとまず4区終了時点で総合6位というのは戦前の予想より上回ったという人が大きかったのではないだろうか。このまま流れに乗っていけると思われた。
だが、ここで落とし穴が待っていた。山登りの5区に起用された井口選手が86分近くかかるブレーキで12位まで順位を落としてしまう。実は12月に入っても5区が誰になるか固まらなかった。1年生の永井選手など色々候補はあったが、最終的に何とか82分台でまとめられそうということだったらしい。だが、登りに入って脚がしびれてきてペースダウンを余儀なくされ。上位進出どころかシードラインよりも2分後ろまで後退してしまい、大きくレースプランが狂う事になってしまった。救いは、井口選手が後半持ち直した事。小涌園の地点で13位にまで後退して15位以下まで落ちてしまうのではないかというくらいだったので、そこは主将としての意地をみせた、そんな感じがした。
6区代田の激走で息を吹き返す 7区で逆転し10区塩谷で決めた
さて、12位ということで追い上げるしかないのだが、今回はいつも以上にやりづらかった。総合8位以下のチームが復路一斉スタートとなってしまっていたのだ。流れに乗って走っていたら、いつまでたってもシードラインを追い上げられないので、前へどんどん出て引き離さなければならないのだ。それができるかどうかが焦点だった。
そんな心配はスタートしてすぐに消えることになる。6区を任された代田選手がいきなり前に出る。苦手と言う登りからエンジン全開で、後ろを引き離しながら前を追いかける。下りに入っても勢いを維持し、時差スタートした山学を抜いて、表情は苦しくなりながらも青学にまで追いついていった。この地点で区間記録を上回るペースだった。さすがにラスト3㎞の平地はやや疲れたが、シードラインを約半分のタイム差にまで縮め、大きく勢いづけた。
そして7区須河選手で早くも圏内に浮上。区間9位というのは前哨戦で準エース区間でもやれていたということを考えると不満ではあるが、安定した走りで失速してきた東海大などを交わしていった。8区新庄浩選手は年間不調気味だったが昨年に近い走りで更に順位アップしていく。このあたりは伝統校らしい戦いではあったのではないか。9区大須田選手が終盤に失速して順位を落としたが、正直実力通りだったかなと思っている。他校の失速でシードラインとの差は開いたが、最後は何とかまとめたいところだった。
その最後に待っていたのは2年連続アンカーとなった塩谷選手。前回の拓大とのスパート合戦での独特の走法に記憶にとどめていた人も多いだろう。あまりにも独特なフォームで高校駅伝でもアクシデントと間違えられていたほど。大学入学時に浦田監督にフォームに付いてどうするか話し合ったそうだが、変えないで行くという方針にしたそう。そのフォームでどんどん前を追っていく。帝京大を交して、順大を引き連れながら城西も交わし、青学まで追いつく。三つ巴となった残り1㎞からあのラストスパート。引き離せないと見るや何度も何度もかけ続ける。最後はトラックのスピードが高い2人に屈したものの、個人では区間2位、総合順位も8位に引き上げる活躍。代田と塩谷、両選手の気迫あふれる走りが中大27年連続シード権に導いた。
中堅どころは粒ぞろい 2区5区を走る選手が出てくるか
5区9区を除いてほとんどの区間が区間5位前後ということで、中堅どころはズラリと駒が揃っていますね。次回もシードを狙うのは申し分のないメンバーだ。また、中大の場合2年になったからぐっと出てくる選手が多い。現2年の代田・須河選手、現3年の渥美・塩谷選手などは1年生の冬の時に名前聞かなかったような気がする。また新しい戦力が出てくるかもしれないので、それもまた楽しみである。
≪主な在校生≫
新庄翔太(2年)28分44秒00≪箱根4区7位、全日本2区6位、出雲1区10位≫
野脇勇志(4年)29分16秒10
西嶋悠(3年)29分26秒63≪箱根1区8位、全日本1区8位、出雲4区10位≫
須河宏紀(3年)29分32秒67≪箱根7区9位、全日本4区6位、出雲3区8位≫
塩谷潤一(4年)29分33秒30≪箱根10区2位、出雲6区10位≫
代田修平(3年)29分34秒69≪箱根6区3位、全日本3区6位、出雲2区5位≫
渥美昂大(4年)29分38秒06≪箱根3区7位、全日本7区3位≫
大須田優二(4年)29分39秒19≪箱根9区14位、全日本6区3位≫
新庄浩太(4年)30分11秒56≪箱根8区8位≫
相場祐人(3年)30分19秒62≪出雲5区5位≫
多田要(2年)30分23秒99≪全日本5区6位≫
永井秀篤(2年)30分27秒92
鈴木大和(4年)31分00秒34
≪主な新入生≫
小谷政宏14分16秒02
吉田匡佑14分16秒96≪都道府県1区16位、高校3区8位≫
徳永照14分20秒83≪都道府県1区6位、高校1区3位≫
三宅一輝14分21秒10
早川文人14分22秒03≪都道府県5区11位≫
藤井寛之14分24秒49≪都道府県5区20位、高校4区5位≫
松原啓介14分28秒22≪高校7区2位≫
近藤和輝14分32秒68≪高校4区24位≫
戸塚陽介14分49秒20≪高校6区5位≫(競技継続未定)
≪今から考えるオーダー≫
出雲:西嶋-野脇-新庄翔-代田-渥美-須河
全日本:西嶋-新庄翔-野脇-渥美-代田-大須田-多田-須河
箱根:西嶋-渥美-新庄翔-野脇-多田 代田-大須田-徳永-須河-塩谷
ただ、次回の箱根駅伝でシード権以上の順位に行くには2区5区をどうするかだな…。そこが4年生2人だけの穴なのだが痛いんです。基本エース不在のチームなのでここの人選が悩む。一応2年連続往路の渥美選手を入れてあるが、理想は新庄翔選手がスタミナを付けて臨みたいが。それと5区…結局1年かけても準備できなかった。出番は無かったが、いい成績残していた多田選手あたり登れないかなと思っているが。まあ、この2区間で良くて今年並みになるか、それ以上獲れるか決まりそうな気もする。
あと新入生に目を向けてみますが、例年同様かな。トップクラスは入らないが、5千14分20秒前後くらいの選手を安定して複数獲得するといった感じ。注目は高校駅伝1区3位の徳永選手や話題性ということで東海・早川選手の弟くんあたりかな。ロードに強い選手を育成してくれることを期待したい。
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