2014/02/24
第90回箱根駅伝からの来季戦力分析【青山学院大学】
往路5位復路6位
総合5位:青山学院大学
相次ぐ故障でどうかと思いましたが、思ったより戻っていました
区間名前学年区間タイム区間順位(順位変動)トップとの差
1区一色恭志①62分15秒区間6位(6)50秒差
2区神野大地②69分44秒区間6位(6→5)1分56秒差
3区石田駿介④64分47秒区間8位(5→5)4分04秒差
4区山村隼②55分50秒区間7位(5→5)4分39秒差
5区高橋宗司③82分28秒区間11位(5→5)7分51秒差
6区村井駿②61分41秒区間18位(5→6)10分28秒差
7区小椋裕介②63分37秒区間2位(6→6)10分38秒差
8区井上尚樹④66分36秒区間10位(6→6)12分39秒差
9区藤川拓也③69分23秒区間3位(6→6)12分38秒差
10区竹内一輝④72分32秒区間17位(6→5)16分02秒差
新主力!一色・神野選手の活躍で流れに乗る 小椋選手もリベンジ
主力の一人、久保田選手は一次エントリー前に離脱。山登り候補の秋山選手もいなくなった。更にエントリー後に4年生の石田・竹内選手が故障し、一時はどうなることかと思われた青学大だが、若い主力が大いに躍動した。
特に1区2区が素晴らしかった。一色選手は積極的にハイペースの集団につき、一時は先頭を引っ張る活躍ぶり。区間6位ながら1年生の歴代記録を更新する62分15秒をマークし今後が期待される。2区ずっと主要区間に入り続けた神野選手は前が遠のく難しい中しっかりペースを保ち区間6位。若い2人で総合5位につけた。
その後、最初で最後の箱根出場となった石田選手が堅実な走りを見せて区間8位。全日本の結果等からやや不安があったという山村選手も区間7位でしっかりまとめたが、山が今回苦しかった。5区実は登り苦手だったという高橋選手は何とかまとめたものの、6区抜擢された村井選手が中盤まで非常に苦しい走りで、ここで一つ順位を落とすことになった。シード争いに巻き込まれそうなちょっと嫌な感じになった。
巻き返したのは、前回単独走の苦手が露呈しブレーキとなった小椋選手。区間賞争いをした末に区間2位。これで流れを取り戻した。本人も自信になった事だろう。2年前にも8区を務めた井上選手が堅実にリレーし、9区に入った藤川選手がここでまた快進撃。勝手にスピードランナーと思い込んでいたが、実は単独走の方が得意。69分前半の好タイムをマークし、じわりと明大の背中に迫ってきた。
苦労人・竹内選手がゴールテープへ 2年前とは違う味のする総合5位
そして最後に登場したのは4年生の竹内選手。高校時代のキャリアから一躍注目を浴びていたが、走れた時期より故障した時期の方が圧倒的に多い苦闘の4年間だった。今年も一時エントリー後に脚を痛めた中、何とかこぎつけたのだった。慎重な入りから徐々にペースアップし中間点過ぎには明大に並びかけた。しかし、まだ苦難は続き、両足痙攣で一時立ち止ったという。
それでも諦めずに追い、相手が失速したのもあるが、ラストで何とか交わして総合5位のゴールへ。竹内選手、迎えた選手ともども感極まっていました。監督の考えもあり、必ず笑顔で出迎えるという方針ですが、どちらとも自然に出たように感じました。そういえば2年前は大黒柱出岐選手の作った流れもあっての総合5位。今回は多くの選手の活躍がありました。少し違う味のする総合5位でした。
ついに監督から3冠宣言 山の選手と主力を万全の状態にし、いざ挑戦へ
ややビックマウスな原監督ですが、ついにタイトルを狙って獲りに行く、という宣言が出ましたね。箱根後のレースでも一色・神野・藤川選手は成長しているところをみせていましたね。久保田選手が早めに復帰できれば十分にチャンスがでてきているのは確か。彼らをズラリとならべれば面白い駅伝ができそうな雰囲気がある。
●主な在校生
藤川拓也④28分35秒72≪3年:箱根9区3位、出雲2区6位、2年:箱根6区14位、出雲2区2位、1年:出雲2区7位≫
神野大地③28分41秒48≪1年:箱根2区6位、全日本2区6位、出雲6区4位≫
小椋裕介③29分09秒30≪2年:箱根7区2位、全日4区7位、出雲1区4位、1年:箱根7区14位、出雲1区7位≫
山村隼③29分13秒05≪2年:箱根4区7位、全日7区10位≫
橋本峻③29分18秒28≪2年:全日本6区5位≫
川崎友輝④29分24秒85≪2年:箱根4区13位、1年:出雲4区11位≫
三野貴史④29分31秒22
久保田和真③29分33秒55≪1年;箱根3区4位、出雲3区1位≫
高橋宗司④29分36秒84≪3年:箱根5区11位、全日8区10位、2年:箱根8区1位、1年:全日4区8位、出雲5区6位≫
三木啓貴④29分36秒86
上位10人平均:7位29分16秒1
他
松島良太③29分38秒75
山田学④29分39秒22
渡邊心③29分43秒84
安藤悠哉②29分49秒00
内田翼②29分52秒34
一色恭志②29分52秒53≪1年:箱根1区6位、全日本1区6位、出雲3区7位≫
村井駿③31分12秒33≪2年:箱根6区18位≫
●主な新入生
中村祐紀14分05秒20≪全国1区7位、高校1区6位、国体5千7位、IH1500m2位≫
大越望14分11秒72≪全国1区24位、高校3区19位≫
貞永隆佑14分19秒74≪全国5区24位、高校1区10位≫
田村和希14分21秒68≪高校3区4位≫
石川優作14分25秒12
近藤修一郎14分30秒28≪全国4区2位、高校1区29位≫
下田裕太14分37秒18≪全国5区19位、高校3区35位≫
●オーダー組んでみる
小椋-神野-久保田-中村-一色 高橋-山村-橋本-藤川-三野
ひとまず思う課題として、今回出たのは山ということで。登りは今回、一時期考えられていた一色選手というのは手だが、秋山選手が本調子なら多分面白いのかな??6区は下りの適性自体はありそうな村井選手でもいいが、今回5区で下りが良かった高橋選手とかいろいろ考えられそう。選手層は厚いので1年かけてじっくり育成したいところ。
もうひとつ気になるのが故障者の多さ。中々ここが改善されずベスメンが組めない(一説では2年前に完成したトラックが柔らかすぎるのが原因とか??)。東洋や駒大に立ち向かうには万全でないとと思う。もしかすると簡単に減らせないのかもしれないがさじ加減を慎重にしたい。
メンバーは面白い。小椋選手や、他山村・橋本・川崎選手あたりは横一線。渡邊心・内田選手もそろそろ出てくるだろうし、新4年の三野・三木選手も虎視眈々と最後の舞台を狙っている。新入生では1区で区間一桁を残している中村選手がおもしろそうな存在。機運が揃ってきたところ、一気に2強に襲いかかりたい。
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