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箱根駅伝総評~国士舘大学

本当に惜しかった!

往路6位復路12位
総合11位国士舘大学
(予想:往路9位復路20位総合14位・区間予想3区間的中→5区9区10区)

区間、名前(学年)、区間タイム、区間順位、(総合順位)、トップとの差(シードラインとの差)
1区小島康彰(4年)1時間4分56秒区間5位(5)8秒差
2区山中貴弘(4年)1時間10分14秒区間13位(5→10)4分12秒差
3区高谷将弘(4年)1時間4分37秒区間6位(10→11)3分59秒差
4区伊藤正樹(1年)56分12秒区間5位(11→8)4分51秒差
5区川崎健太(4年)1時間22分03秒区間8位(8→6)4分38秒差(-1分50秒差)

6区村川敦哉(3年)1時間2分11秒区間21位(6→12)6分19秒差(36秒差)
7区田代洋平(4年)1時間7分05秒区間16位(12→13)8分17秒差(1分34秒差)
8区久伊原歩(1年)1時間7分18秒区間6位(13→11)8分41秒差(39秒差)
9区平川玲央(2年)1時間12分50秒区間15位(11→11)10分15秒差(1分17秒差)
10区羽島駿介(3年)1時間11分41秒区間4位(11→11)9分53秒差(34秒差)


○総合11位 11時間19分07秒

【敢闘賞】往路走者…往路6位と存在感示す
【感動賞】羽島駿介…区間4位の追い上げも届かず
【喝!!】6区の準備…ここで一気にシード権外に

突進の国士舘
 国士舘大学は伝統的に往路が強く、往路優勝もしたこともある大学である。しかし、最近は序盤で出遅れてレースをさせてもらえないということが多かった。だが、今年は違った。往路に柱となる4年生4人を全部つぎ込んで久々に存在感を示した。

 1区小島は一般入試でコツコツやってきた選手。昨年は9区を走り、今年は満を持して往路に登場した。中盤から自ら仕掛けて主導権を握るなど積極的なレースをし、区間5位。80回大会に復活以降、1区は区間二桁が続いていたが初めて上位で渡す形となった。2区は4年連続出場の山中。1年から6区、5区、1区と花形区間に出場し、最後はエース区間での登場。順位は落としたものの、70分代前半は大健闘のタイム。やや不安視されていた2区だが、ここで総合10位はここ数年では最高の水準だった。

 3区は予選会チーム1番手の高谷。元々スピードランナーなのでここにおくのは適材適所だったと思う。総合順位は佐藤(東海大)に交わされて落としたものの、3位グループに差を大きく詰めて次に渡した。4区は往路唯一の下級生伊藤。予選会は失敗したが、期待のルーキーは思った以上の走りをみせた。後半勝負で3位グループから転落した大学を次々と交わして総合8位に浮上。区間5位は素晴らしい成績だ。

 そして国士舘大学が一番自信を持っている5区は、昨年同区で7人抜きの快走をみせた川崎。12月初旬に脚を痛めてた中での走りであったが、見事2人抜いて、往路6位でゴール。大役を果たした。シードラインの11位とは2分近く。往路に全てをつぎ込んだので復路は苦戦必至だが、昨年もサプライズで区間一桁が出たりもした。もしかすると、ギリギリ粘れるかという予想もあった。



対策不足露呈した6区
 6区には3年生の村川が入った。ここでシードラインとの差を詰めさせなければ、19年ぶりのシード権に向けて、かなり視界良好となるだけに大事な区間であった。しかし、その村川が区間21位とブレーキ。一気に6人抜かれ、早くもここでシード権を追う展開となってしまった。

 別に村川が悪いわけではない。6区の適任者が誰もいなかったそうなのだが…何とかならなかったか。国士舘は6区も苦手としていて、ここ3年は全員62分オーバー。なんか一時期の早稲田大学みたいである。確かに今まで予選会を何とか突破していたという感じなので、山の対策は遅れるのは仕方ないとはいえ、もっときちんと準備してほしかった。逃げ切りを図るために6区が重用なのは分かっていたはず。エントリーメンバーの主力以外全員が11月末の記録会に出場したりしていたが、そうしている場合ではなかったのでは…

 まあ、シードラインにいた大学(帝京・大東大・明大など)がこぞって好走してしまうという不運もあった。が、ここで劣勢に立たされたのは事実だろう。



近くて遠かったシード権
 7区の4年田代は昨年も同区を走った選手。とにかく前を追わなければならなかった。だが、ちょっとオーバーペースだったか。すぐ後ろにいた実力者・清水(東農大)につかせてもらうのは悪い作戦ではなかったが、ペースが速すぎた。終盤失速してしまい区間16位。シードラインとの差も開き、個人的にはここで終戦と思った。

 しかし、この後、前回に引き続き8区10区が区間一桁が飛び出す。8区は1年生の久井原。予選会では20kmを65分オーバーとまともに走れなかったが、この2ヶ月で急成長。1人で前を元気よく追って、区間6位。順位も11位にあげ、10位のチームも肉眼で確認できる位置まで追い上げた。9区平川はまた差が開いてしまったが、この面子では区間15位では仕方なかったか。前を走っているのは区間賞の山梨学院や日大の実力者笹谷とかでは、太刀打ちできない。ただ、自分のペースを保って傷口を最小限に留めたという印象。来年は是非とも戦える力を付けてほしい。

 そしてラストは前回も10区を走り区間7位と好走していた羽島。9区平川が粘ったとはいえ、10位との差は1分27秒と非常に厳しい状態。各大学力のあるランナーが配置されていたし、向かい風も吹いていたらしい。追っていくのは困難な状況だったが、何が起こるか分からない。ほぼ同時に走り出した伊藤(選抜)を引き連れながら、懸命に前を追った。13km過ぎの定点では差を1分以内とし、じりじり追い上げた。前の7位集団が牽制しており、チャンスが出てきた。

 しかし、疲れが見え始めた16km過ぎ選抜に前に行かれてしまい、12位に転落。ここで遅れてしまったらシード権は絶対にない。当然ながら、そう分かっていた羽島は一時追いつく粘りを見せたが、無念、引き離されてしまう。僅かに可能性があったシード権が遠のいていく。それでも最後まで諦めずに前を追う。落ちてきた東農大をゴール直前で交わし11位に浮上したが、片思いのシード権には34秒届かなかった。6区からシードラインはずっと1分ほど前を行き来していたが、ついに上回ることができなかった。ゴールする際、「くっそ~!」と叫びながらゴールテープと叩き割った羽島の姿に目頭が熱くなった。



来期への展望
 本当に悔しいが、ここ最近、最下位争いをしていた事を考えると大躍進。全員がほぼ満点に近い走りをしたので、これ以上は望めなかっただろう。今回の出来事をステップに次回こそ悲願のシード権を獲得してほしい。

 というわけで次回への展望

○卒業生出走メンバー
小島康彰1区5位、山中貴弘2区13位、高谷将弘3区6位、川崎健太5区8位、田代洋平7区16位

○在校生出走メンバー
伊藤正樹4区5位、村川敦哉6区21位、久伊原歩8区6位、平川玲央9区15位、羽島駿介10区4位

○在校生補欠メンバー
大野悠作、柴田省吾、松本良介、宮崎大佑

 んー、4年生5人。しかも往路が4人抜けるというのはちょっと痛い。1区2区3区5区はいずれも実力者なので、大きな穴があくことになる。これを埋めるのは並大抵ではできないだろう。下手すれば箱根予選を突破できない可能性するあるのだが、果たして…

 ただ、光はある。区間一桁で走った選手が伊藤、久伊原、羽島と3人居る。また平川も走った区間が9区ということを考えると評価していいだろう。久井原、伊藤がチームをうまく牽引できるようになると、

 山はまだちょっと検討つかないが、繋ぎは今回補欠に甘んじたメンバーや箱根予選を走った中西、岩崎や小玉が復活してくれればまだまだ来年もやれるチームに仕上がってくる可能性はある(とみたい)

 まずは、インカレなどで結果を残していきたいところだ。

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