2009/01/29
箱根駅伝総評~上武大学
初陣はやはり厳しく
往路20復路20位
(予想:往路22位復路22位総合23位・区間予想1区間的中→5区)
まあ、下位に低迷するということは当たったので順位は問題なし。しかし、個人的に悔しいのは区間配置。まあ、難しいのは分かっているのだが微妙に外してしまったのが…。特に7区から10区は出走メンバーは当たったがみんな微妙にずれて撃沈。大塚くらいは当てたかった。なぜ9区にしただろう。
区間、名前(学年)、区間タイム、区間順位、(総合順位)、トップとの
差(シードラインとの差)
1区坂口竜成(1年)1時間5分37秒区間17位(17)49秒差
2区石田康雄(3年)1時間11分01秒区間18位(17→20)5分40秒差
3区福島弘将(3年)1時間6分50秒区間19位(20→19)7分40秒差
4区後藤祐一(4年)57分19秒区間14位(19→20)9分39秒差
5区福山真魚(3年)1時間22分28秒区間10位(20→20)9分51秒差(3分58秒差)
6区朝日宏宣(3年)1時間2分10秒区間19位(20→21)11分31秒差(5分48秒差)
7区伊藤彰(2年)1時間6分50秒区間15位(21→20)13分14秒差(6分31秒差)
8区原茂明(2年)1時間8分07秒区間13位(20→20)14分27秒差(6分25秒差)
9区梅田大輔(2年)1時間15分08秒区間21位(20→22)18分19秒差(9分21秒差)
10区大塚良軌(4年)1時間13分24秒区間14位(22→21)19分40秒差(10分21秒差)
○総合21位 11時間28分54秒
【敢闘賞】後藤祐一…おそらく一番突っ込んで入った
【殊勝賞】大塚良軌…最下位を免れる
【(激励の)喝】メンバーほぼ全員…意識の低さの改善を
今大会唯一の初出場校となった上武大学。初出場初シードを目指して挑んだが、残念ながら常連校の壁に跳ね返されてしまった。その軌跡を振り返りたい。
最初で最後の箱根路
初出場となれば、特に4年生には万感の思いがあったはずだ。今回、後藤祐一、大塚良軌の両選手が最初で最後の箱根路を激走。自己流の文章や分析となるが、この2名に注目してみた。
この2名は1年生の時から箱根予選会に出場。上武大が本格始動してから2年目の時だった。この時は2人とも20kmは65分以上かかっていた。同期には山崎や星野など彼らよりも速い1年生が沢山いた。しかしそんな中でも黙々と練習を重ねる。そして2年生の頃には2人とも柱に成長(後藤チーム2位、大塚チーム5位)。上武大も徐々にだが力を付けてきて、箱根路に少しずつ近づいていった。
その後、上武大の強化は加速して行き、以前よりは強い新人の入学も増えた。それでも彼らはメンバーに選ばれ続けた。そして4年生最後の箱根予選会でも粘走し、予選突破への力となった(大塚チーム8位、後藤チーム10位)
本番で後藤が任されたのは4区。最短区間だが、山登りの手前で気の抜けない区間である。チームは思うように順位をあげられず後藤に襷が渡ったときには19位。後藤は序盤から突っ込みハイペースで前を追った。二宮までに1分前を走っていた青学(先崎)に追いつき順位をあげる。しかし、相手もキャプテンでありそう簡単に前を譲らない。後藤にも疲れが見え始め、後ろから追ってきた専大(酒井)に交わされてしまう。その後、中継所直前で青学に再度突き放され、結局順位は1つ落とした。だが、個人としての区間14位は上武大の中では上の方の成績。力をほぼ出し切って前のランナーに繋いだ。
もう1人の4年生、大塚が任されたのはアンカー。最終学年はキャプテンを任されていた彼には相応しい区間だ。チームはその後も低迷し、大塚に襷が渡った時は何と最下位。チームとしても初出場で最下位だけは避けたいところだったがそのピンチ。だが、大塚が意地の走りをみせる。スタートからほどなくして青学を交わして順位をあげる(といっても繰り上げの関係で見た目は青学の方が前だが)。その後もペースを落とさず攻めの走りを続けていく。最後は箱根常連校の東海大、順大、帝京大あたりの背中がかすかに見えていたのではないだろうか。初陣でひ弱なチーム。納得のいかない順位だっただろうが、キャプテンがきっちりしめて堂々の21位でのゴールとなった。
2人とも卒業後も競技を続けていくそうだが、今回の喜びと悔しさをその後の競技生活にいかしてほしいところだ。
無念、長谷川欠場&福山不発
今大会の上武大の見せ場は全日インカレ1500mの勝者・長谷川がどのくらい爆発するかと、前回選抜で5区を走り区間3位で7人抜きをした福山が同様の走りを見せることができるかということであった。それと同時にこの2つが達成できれば初出場初シードも夢ではない話であった。だが、現実甘くは無かった。
まず長谷川に関しては、事前情報で脚を痛めている、1区か3区エントリーを目指して何とか調整を進めているというものであった。この時点でだいぶ厳しいなと思っていた。エントリーでは3区に入っていたが、残念ながら当日に福島に変更されてしまった。やはり脚の状態が思わしくなかったのだろう。ただ1万チーム1番手が抜けたのは相当痛手であった。
もう1人の楽しみだったランナー福山は昨年と同じく5区を任されたが、今年は制裁をやや欠いた走り。過緊張で前日ほとんど眠れなかったそうだが、やはりそこは個人とチームでの違いだったのだろう。区間10位と何とか粘ったが、20位でもらった順位を引き上げることはできず、大砲は不発に終わってしまった。
10区間中9区間が区間一桁も
結局、1区17位が最高で、後はずっと総合19位から22位の間を行ったり来たりというレースだった。ただ、個人順位だけ見ると悪いわけでない。8区まではずっと区間10位代をマークしていたのだ。しかし、順位はあげられなかった。
特に4区14位5区10位で19位から20位に落とすとか、6区19位7区15位8区13位ながら20位は変わらず、といったあたり箱根で上位を取るのはいかに難しいか、特に序盤で遅れるとちょっとやそっとやで順位をあげることはできないと箱根の怖さをまざまざと見せ付けられた結果であった。エースの存在や流れに乗るということが如何に重要かということがいえるだろう。
今回の結果で、ほとんどのメンバーがほっとしていたそうだ。まあ、何から何まで初めてのことでとりあえず終わったという安堵感はあっただろう。ただ、これで満足していていては絶対にいけない。来年は各大学もマークしてくるし、巻き返しを誓う大学も多い。枠も3つ少なくなるし、IPに巻き込まれたら出場はかなり厳しいものになる。今回の成績を悔しいと噛み締め、来年またここに戻ってきて欲しい。
来期への展望
では来期へ向けての展望である。
○卒業生出走メンバー
後藤祐一4区14位、大塚良軌10区14位
○在校生出走メンバー
坂口竜成1区17位、石田康雄2区18位、福島弘将3区19位、福山真魚5区10位、朝日宏宣6区19位、伊藤彰7区15位、原茂明8区13位、梅田大輔9区21位
○在校生補欠メンバー
長谷川裕介、地下翔太、横田友弥、園田隼
初出場らしく、4年生はやはり一番少ないだろう。来年はそれが何よりの武器になる。メンバー全員が全体的にレベルアップしてくれれば、かなり面白い戦いになると思う。出場できたと仮定し、前回の往路メンバーが区間順位を5つ以上あげ、それに長谷川が区間一桁で走れば、往路はかすかにシード権争いができるところまでいくのではないか。 まあ、出場しなければ話にならないのだが…
とにかく激戦必至の予選会をいかに勝ち抜くか。今回はサプライズの3位通過であるが、今度も3位で通過できれば自力がついてきた証拠にもなる。まずは前回以上の順位で予選会通過を目指して欲しいところだ。
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