2010/03/23
箱根駅伝論評~青山学院大学
往路9位復路11位
(順位予想:往路20位復路18位総合19位 区間予想:2区6区正解)
いや~、全日本予選に続き大外れでした。流れやモチベーション次第でここまで上位に来るとは…
区間、名前(学年)、区間タイム、区間順位、(総合順位)、トップとの差(シード権)
1区出岐雄大(1年)1時間3分48秒区間9位(9)1分21秒
2区米澤類(4年)1時間8分54秒区間5位(9→5)1分19秒
3区荒井輔(4年)1時間4分09秒区間7位(5→8)2分20秒
4区横山拓也(1年)58分36秒区間13位(8→9)4分59秒
5区小嶺篤志(1年)1時間23分52秒区間10位(9→9)7分17秒(-2分18秒)
6区小川恭正(3年)1時間00分50秒区間7位(9→7)7分12秒(-2分35秒)
7区市岡敬介(4年)1時間6分08秒区間5位(7→8)8分24秒(-4分19秒)
8区相原征帆(1年)1時間7分51秒区間8位(8→8)9分19秒(-4分02秒)
9区川村駿吾(2年)1時間13分45秒区間15位(8→9)10分46秒(-2分21秒)
10区鈴木惇司(3年)1時間13分32秒区間12位(8→8)11分12秒(-3分27秒)
【敢闘賞】出岐雄大&米澤類…大きく流れを作る
【殊勲賞】小川恭正&市川敬介…シード権を大きく手繰り寄せた
【努力賞】鈴木惇司…最初は練習につけなかったそうだが
【監督賞】原晋監督…前回久々復帰のチームをシードへ
持ちタイムの平均が下位、さらに主力2名が欠場し、今年も最下位争いと予想していたのだが、
思わぬ躍進を遂げた。
とても大きかったのはやはり1区2区がこれ以上にない位置で襷を運んできたこと。1区は箱根予選に出場しなかった1年生の出岐。個人的には荒井-米澤で突進すると思っていたので、荒井の状態がよくないのかと勘ぐってしまったが、63分台で上位争い真っ只中で中継。行けるという確信があったようだ。そして2区に入った米澤が68分台で5位に浮上。元々怪我が多かったが、この1年は継続した練習が出来ていた選手。それにしても強豪チームのエースと堂々と渡り合うとは思わなかった。とにかくこれで流れに乗った。
その後、駅伝で中々結果が出ない荒井、1年生の横山がどうにか踏ん張りシード権内をキープ。そして、5区山登りは当初の予定だった辻本を外し、小嶺を起用。その小嶺が駒大深津や城西田村ら実力者に喰らいつき一桁順位で往路を終えた。復路はきついと思われたが、小川と市岡が11位に大きく差をつけ、それにより川村と鈴木が冷静に走ることが出来、最終的に危なげなくシード権を獲得。前回33年ぶりの出場とは思えないチームだった。
さっき軽く書いたが、青学は今回、
小林剛と辻本という主力が欠場している。この2人は前回の8区9区の経験者で、箱根予選でもチーム3番4番手。この穴は非常に痛いと思われたが、それを救ったのが1年生である。
一番活躍したのは先ほども書いたが出岐。前回の箱根と全日本は1区で下位だったが、今回初めて上位での襷リレーだった。それと4区の横山はシーズン当初から結果を残していた選手(この選手が一番区間順位悪いのが驚き)。そして1年生ながら5区で踏ん張った小嶺。最後に急遽出場することになった相原が早大をうまく利用して8区を攻略。全て区間10位前後、しかも2区間は1区5区の主要区間なのだから非常に助かった。往路に1年生3人はそれなりに博打だが、うまく機能した。
それにしても
今季の青学の調整力には驚かされる。
全日本予選はランク17位ながら、6位で出場権を獲得。この時は荒井と米澤の爆走が目立ったが、3組目までも8位あたりをキープしていた結果だ。箱根予選は長いロードに弱いということでどうかなと思われていたが、独自の調整法でIPにかからない位置で通過。全日本はうまく調整ができなかったが、
箱根はランク15位でしかも主力欠場ながら8位。そういえば、関東インカレでもまずまず結果を残していたような。
つまり狙った大会はほぼ結果を残しているということ。前回箱根に出場できたことが大きな自信になったという趣旨は話されていたが、1年のプランが完全に確立されているのか。これが続くようだと今後は更なる順位アップもありえるということ。選手も楽しんで走れているようで、チームの雰囲気も良さそう。故障者がちょっと多いのは気になるが、今後の躍進も期待できそうな感じである。
来期への展望
○卒業生出走メンバー(抜けるメンバー)
米澤類2区5位、荒井輔3区7位、市岡敬介7区5位
○在校生出走メンバー
出岐雄大1区9位、横山拓也4区13位、小嶺篤志5区10位、小川恭正6区7位、相原征帆8区8位、川村駿吾9区15位、鈴木惇司10区12位
○補欠メンバー(+α)
小林剛寛(前回8区11位)、辻本啓吏(前回9区6位)、西尾宗一郎、小林駿祐、内田昌寛、中井一臣(竹内など)
主要区間2区3区が抜けるが、補欠メンバーの小林、辻本で一応埋まってしまう。勿論、この2人はまだまだ米澤荒井の2人には見劣りしてしまうのだが、他の区間のレベルアップでカバー、さらに順位アップも可能というところ。5区6区が残るのも大変心強い。特に5区はまだ1年生なので暫く安泰といえる。また新人に高校駅伝優勝校、世羅のエースの竹内が加入。いきなり往路を担えるようになれば嬉しいというスタンスで見守りたい。
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