2010/03/27
箱根駅伝論評~東海大学
往路12位復路12位
(順位予想:往路9位復路16位総合13位 区間予想:2区4区5区)
復路を少し低くしすぎましたか。田中の好走が想定外でした。区間予想は1区9区が外れました。6区当てたかった…
区間、名前(学年)、区間タイム、区間順位、(総合順位)、トップとの差(シード権との差)
1区刀祢健太郎(2年)1時間4分30秒区間14位(14)2分03秒
2区村澤明伸(1年)1時間8分08秒区間2位(14→4)1分15秒
3区早川翼(1年)1時間4分04秒区間6位(4→7)2分11秒
4区永田慎介(3年)1時間00分05秒区間19位(7→11)6分19秒
5区金子太郎(3年)1時間26分00秒区間15位(11→12)10分45秒(3分22秒)
6区河野晴友(3年)1時間1分12秒区間11位(12→12)11分02秒(3分21秒)
7区与那嶺恭兵(4年)1時間6分39秒区間12位(12→11)12分45秒(2分49秒)
8区赤染健(3年)1時間7分32秒区間5位(11→11)13分21秒(2分34秒)
9区田中飛鳥(2年)1時間12分04秒区間5位(11→11)13分07秒(1分57秒)
10区海老原匠(2年)1時間15分32秒区間20位(11→12)15分33秒(3分49秒)
【技能賞】村澤明伸…早くも2区攻略で今後に大きな期待
【敢闘賞】赤染健&田中飛鳥…意地を見せて追い上げる
【(激励の喝)】金子太郎…予選、全日本、箱根と大事な試合の前に故障
【喝】新居監督…選手の育ちが急激に悪くなった
注目が村澤一点に集まった東海大だが、その
村澤が予想以上の怪物ぶりを発揮した。
1区刀祢はハイペースの集団を、敢えて追わない作戦に出たが、やや裏目に出たか。18位から4人抜いたが第2集団まであと少しという所だった。ただ、前が点々と見える位置では村澤に渡した。その村澤は序盤はマイペース。力的には下の上武石田につかれていたので、まあ普通に終わるのかなと思っていたら、後半ぐーっとペースアップ。日体大・森、東農大・外丸と強力な4年生を抜き去り、意識したのかどうかは分からないが駒大・宇賀地を引き付けて引き離した。
そして、終わってみれば何と日本人トップ。前半あれだけ押さえて1時間8分08秒…何か2区を既に経験しているのかと錯覚するような走り。ロードに強いのは分かっていたが、距離にもここまで簡単に対応してくるとは思わなかった。やはり東洋・柏原の対抗馬にあげられているだけありますかね。今後も学生長距離界を引っ張ってもらいたい。
ただ、東海大は
エースが作った流れを活かせないというのが一昨年あたりから続いているのだが、今年もその悪い癖が出てしまった。もう一人の
1年早川は区間一桁だが、3つ落とした。そして
4区永田がブービーで早くもシードラインを割ってしまった。永田は今年復調してきていたが、長い距離の実践はまだまだだったか。2年連続で務めていた平山がエントリーに入れなかったのがここで大きく響いてしまった。何だかんだでありがたかった。
そして5区は3年生キャプテン金子が登ったが、脚の状態が万全でなく、序盤からあまりペースが上がらなかった。後半は懸命に粘ったものの、86分かかってはシードラインを追い上げられない。どうも、秋から何度も故障を繰り返しているようで、駅伝シーズンは万全な状態で走れたレースが一度も無かったのは主将としてはまずい。来年こそクレバーな走りをみせてもらいたい。
さて、選手層が薄いので復路はきついと思っていたが、見せ場を作れたのは昨年より成長したか。
2年連続5区から6区起用の河野は、序盤飛ばす悪い癖が出てしまったがとりあえずまとめてくれた。
7区与那嶺は東海大この世代初めて駅伝出場。元はスピードランナーだが4年かけて距離を伸ばした選手。堅実に走った印象。精一杯には走った。
そして見せ場というのは8区赤染9区田中。7区選抜が自滅し11位に浮上していたが、10位とは大差。前を追うのは厳しいと思われたが、集団を利用しながら懸命に追った。8区赤染は自分から集団から抜け出そうとする積極的な走りで区間5位。箱根予選前絶不調だったが、ドンピシャに合わせて来た。そして一番びっくりしたのが9区田中。繋ぎ区間ならいけるという印象だったので、この区間の好走は大きな収穫だ。
ただ、最後は9番手10番手がいないという不安が露呈。海老原はまだ箱根で戦う力は付けていなかったという感じ。とりあえず、大崎コーチカムバック超希望。大崎コーチがおられた時だけ東海大が上昇していた。この時は与那嶺や赤染のような選手がどんどん育ってきて大変層が厚かった。長年務められている新居監督には申し訳ないが指導に疑問を感じる。村澤を擁する4年間で一度シード権を取れるかなというのが現時点での予想。果たして覆るか、覆してほしいと思う。
来期への展望
○卒業生出走メンバー(抜けるメンバー)
与那嶺恭兵7区12位
○在校生出走メンバー
刀祢健太郎1区14位、村澤明伸2区2位、早川翼3区6位、永田慎介4区19位、金子太郎5区15位、河野晴友6区11位、赤染健8区5位、田中飛鳥9区5位、海老原匠10区20位
○補欠メンバー(+α)
小松紀裕、藤井勘太、井上輝明(平山、栗原、末永、元村など)
4年生の穴が全チームの中で一番少ないはこの東海大。今回故障でメンバー入りできなかった平山と栗原が復帰、更に末永や元村らいい素材の新人が加入。シード校に復帰するには大きなチャンスではある。理想としては村澤を5区に置けるくらいの選手層にすることなのだが、果たして育成できるか。注目校の一つになりそうだ。
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