2010/04/11
箱根駅伝論評~日本体育大学
往路3位復路17位
(順位予想:往路3位☆復路6位総合4位 区間予想:1区2区3区5区6区)
往路は当てたんですが…。まあ、6区のブレーキは予想できるものでないので仕方ない。区間予想は9区谷野にしときゃよかったとちょい後悔です。
区間、名前(学年)、区間タイム、区間順位、(総合順位)、トップとの差
1区出口和也(3年)1時間4分18秒区間12位(12)1分51秒
2区森賢大(4年)1時間9分18秒区間8位(12→12)2分13秒
3区野口拓也(3年)1時間2分46秒区間賞★(12→4)1分51秒
4区久保岡諭司(4年)56分45秒区間2位(4→2)2分39秒
5区長尾正樹(4年)1時間23分08秒区間8位(2→3)4分13秒
6区高尾博教(4年)1時間4分23秒区間20位(3→10)7分41秒(-2分06秒)
7区早川智浩(1年)1時間7分11秒区間17位(10→10)9分56秒(-2分49秒)
8区筱嵜昌道(3年)1時間7分47秒区間7位(10→10)10分47秒(-2分34秒)
9区谷野琢弥(3年)1時間12分41秒区間13位(10→10)11分10秒(-1分57秒)
10区小柳津幸輝(3年)1時間13分28秒区間10位(10→9)11分32秒(-3分07秒)
【敢闘賞】野口拓也…出遅れをカバーする区間賞
【技能賞】久保岡諭司…野口の作った流れをしっかり維持
【(激励の)喝】出口和也&谷野琢弥…持ちタイムを考えるとブレーキ
陸上部員の大麻事件で出雲・全日本の出場権及び箱根のシード権を剥奪されてしまった日体大。箱根一本に標準を絞ったわけだが、往路復路と好対照の結果となった。
1区から3区まで1万28分30秒前後のベストを持つ選手を並べてスタートダッシュを狙った日体大だが、決して成功したわけではない。特に
1区の出口がうまく乗り出せなかった。今回の1区の中で1万のベストタイムはトップ。1年の出雲以来駅伝、特に箱根でちょっと微妙な成績が続いていたのだが、さすがに今回は第1集団の中では襷リレーできるだろうと思われたが、ついていくことはできず。
第2集団の後ろの方で順位的にも昨年より下がってしまった。森はそこそこ走ったが、順位を上げることはできなかった。箱根予選では主力の不調で苦戦だったが、今回もそうなるのかと思われた。
それをカバーしたのは3区野口と4区久保岡。特に野口の働きは大きかった。野口は積極的にガンガンいくのが持ち味の選手だが、最初はテレビ画面からしてかなり飛ばしていたコスマスとほぼ同じペース。思ったより後ろでもらったということでとにかく前を追い上げようということだったのだろう。さすがに飛ばしすぎではないかと思われたが、最後までペースは衰えず、一時3位にまで上がる活躍。8人抜きで、4位にチームを引き上げ出遅れを完全にカバー。タイムも日本人歴代3位(正確には4位)の好記録。トラックシーズンは彼も注目してもいいかもしれない。
次の4区久保岡もいい走り。箱根予選後に脚を痛めてあまりいい状態ではなかったらしいが、それでも粘りの走りで、混戦を抜けだし2位にまで浮上。ここに来てダークホースが本領発揮してきた形だ。そして前回総合3位に直結した5区。前回の竹下のインパクトが強かったため微妙な感覚を受けるが、区間1位2位の選手に交わされただけで区間一桁で前回と同じ3位で往路を終えた。この地点で前回並みの総合成績はいけると思われた。
だが、
落とし穴が待っていた。前回6区で61分そこそこで走破していた
高尾がまさかの大ブレーキ。64分オーバーのタイムは11年前にまで遡らなければならない。現在の混戦では大幅に順位ダウン。7人に抜かれ、いきなりシード争いの渦中にまで転落してしまった。元々状態が悪かったのかどうかよく分からないが、懸念されていた
選手層の薄さがここで出てしまったように思う。
それ以降は流れが切れたこともあり、苦しい走り。距離対応がまだもう少しだった7区早川はペースが掴めず下位に低迷。8区筱嵜は区間一桁だが、実力を考えると出し切ったとは言えない。9区谷野で浮上のチャンスと思われたが、逆に11位に縮められる始末。小柳津が落ちてきた明大を交わしてようやく9位に浮上したが、10位前後が来年どおりの混戦であれば危ない走りであった。
戦前、箱根のみということで
調整がしやすいという意見と
経験不足という意見で二分されていたが、どちらかというと
残念ながら後者の方が強く出てしまった感じである。勿論、前者の方が良かった感じもあった。野口や久保岡など脚の状態が悪かった選手にはいい休養になったというのもあったし、長尾あたりは準備期間も取れたかもしれない。
ただ、やはり全体的に微妙だったかな。往路は野口らの活躍で目立たなかったが、復路は経験不足が露呈してしまったような感じ。復路は経験が割りと浅い選手が集まっていて、力的には流れを再び引き戻す事も不可能ではなかったが、うまくできなかった印象。秋口に主力選手が故障していたので、単純に考えると出雲や全日本である程度選手を試すこともできたはずだが、それができなかったのは予想以上に響いてしまったか。まあ、とりあえずシード権は獲得したし、力はあるので、全日本予選を確実に通過し、三大駅伝を思う存分走ってほしい。
来期への展望
○卒業生出走メンバー(抜けるメンバー)
森賢大2区8位、久保岡諭司4区2位、長尾正樹5区8位、高尾博教6区20位
○在校生出走メンバー
出口和也1区12位、野口拓也3区1位、早川智浩7区17位、筱嵜昌道8区7位、谷野琢弥9区13位、小柳津幸輝10区10位
○補欠メンバー(+α)
福士優太朗、松田佑太、宮田往、佐藤貴大、岩間一輝、(服部、甲斐、本田など)
森が抜けるものの、出口・野口・筱嵜・谷野・小柳津の新4年5人は強力。特に出口や野口は世界クロカンに選ばれるなど今から中々の活躍を魅せている。これで福士、早川、岩間あたりが力を付けてくれば、優勝候補の一角に名前があがっても不思議ではないだろう。また、選手層の薄さは1年生が埋めてくれる可能性がある。特に服部は楽しみ。1月末の駅伝1区で(不調だったとはいえ)柏原と同着で襷リレーをした選手。いきなり1区か3区あたりを担えれば大変な戦力になる。後は山をどうするかという課題はあるが、力のあるチームということは間違いないはずだ。
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