2011/11/10
全日本駅伝回顧~東洋大学
総合2位東洋大学5時間16分19秒
1区設楽啓太(2年)43分47秒区間7位(7)9秒差
2区設楽悠太(2年)38分56秒区間7位(7→6)38秒差
3区宇野博之(4年)27分34秒区間2位(6→2)59秒差
4区川上遼平(4年)41分39秒区間3位(2→2)1分42秒差
5区田中貴章(4年)34分41秒区間2位(2→2)2分08秒差
6区山本憲二(4年)36分22秒区間賞☆(2→2)1分31秒差
7区市川孝徳(3年)35分32秒区間2位(2→2)1分40秒差
8区柏原竜二(4年)57分48秒区間賞☆(2→2)33秒差
設楽兄弟に試練、駒大の独走許す
初めてエースの柏原をアンカーに温存し、序盤を期待の2年生・設楽兄弟に任せて流れを作ろうとした東洋大だが、思うようにレースは進まなかった。昨年区間賞獲得していた設楽啓選手は再び他校の前で襷を繋いで流れを作りたかったが、区間7位。秒差は僅差だったが、微妙に響いたような気はする。
2区には出雲に引き続き主要区間担当の設楽悠選手だったが力不足というような感じ。駒大の選手のスパートに対応できず後退してしまった。設楽悠選手は以前から終盤になって後れを取るレースが多い。強い選手になる為には終盤の勝負どころで粘れるようになる必要があるので、このあたりは今後の課題ということか。何にせよ、今回の勝負として序盤に主導権を奪えなかったのは響くことになった。
柏原の底力、だから山登りできるのか
3区から6区は4連続で4年生が入っていたが、追うのは非常に厳しかった。相手が1年生となった6区はさすがに山本選手が意地をみせたものの、他の区間は測るごとにじわじわ引き離されていっており、力負けとなってしまった(まあみんな区間2位前後で走って力負けと言われるのも凄い高レベルですが)。区間賞ホルダーの田中選手も少し足を痛めていた影響で繋ぎ区間になっていたらしく本領発揮とならなかった。詰めたかった7区でもじわりと差が開き、この時点で2冠目は非常に厳しいものとなった。
ただ、ドラマはここから。柏原選手が大きく盛り上げてくれました。1分40秒後ろ、登りじゃなくて平地、ということで襷渡った時点ではそれほど追い上げは期待されていなかった。だが、走るごとに差が縮まっていく。1分を切り、15㎞地点で1分10秒追い上げ、30秒を切るところまでくる。最後はさすがに相手が強かったが、凄まじい勝利への執念であった。前が見えない差からここまで追い上げる強靭な精神力が、山登り3年連続77分台という怪記録に感じさせた。勝負は完敗だったが、この柏原の走りは相手に箱根は一筋縄ではいかせない、そういう印象を持たせたのではないでしょうか。
柏原はどこまで行くか、後2枚は誰が走る?
出雲と全日本で2位になったチームには共通点がある。出雲2位の駒大は出雲は流れがつかめなかったが、アンカーで区間賞を獲って前向きに追われ、次の全日本で勝利。今回2位の東洋は流れは掴めなかったが、アンカーで区間賞を獲って前向きに終わった…流れ的には次は東洋でもおかしくない状況ではある。そんな東洋のオーダーを考えてみる
現時点で考える箱根のオーダー
宇野-設楽啓-設楽悠-市川-柏原 小池-田中-大津-川上-山本
5区は当然柏原選手。全日本の結果からすると復活したとみてもいい、そうなると気象条件次第では区間記録更新も見えてくる。チーム云々というよりここは個人記録がどうなるか非常に楽しみな所だ。チームとしてはまずは4区まで駒大に出来る限り喰らいつきたい所だが、今回うまく走れなかった設楽兄弟を往路で再び流れを作る挑戦をしてもらうという感じにしてある。
ただ、基本的に総合力は高いが穴がある。持ちタイムはともかく駅伝などで実績がある選手が8人しかいない、全日本で全て戦力は使っているという事だ。今回のオーダーは2年連続6区の市川選手を4区に回し、前回控えだったんじゃないかと思った小池選手を入れたが、それでも後1区間は足りないのだ。ここがどうなるか。多分2回くらいハーフを走らせるチャンスがあるが63分台で走れる選手が誰か出てこないか。優勝にはそういう所も重要になりそうだ。
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