2012/02/25
箱根駅伝を振り返る-順天堂大学-
往路13位復路5位
総合7位:順 天 堂 大 学
(予想:往路20位復路14位総合20位 区間:2区)
一番外れたチーム。順位予想も区間配置もダメダメ。何も言い訳ないです。
区間名前(学年)区間タイム区間順位(順位変動)トップとの差(シードとの差)
1区堀正樹(3年)63分36秒区間14位(14)1分33秒差
2区的場亮太(4年)69分59秒区間13位(14→13)2分57秒差
3区田中秀幸(3年)63分10秒区間4位(13→12)3分24秒差
4区大池達也(3年)56分36秒区間11位(12→11)5分15秒差
5区西郷貴之(1年)83分52秒区間15位(11→13)12分28秒差(2分05秒差)
6区信時一輝(3年)60分35秒区間11位(13→12)13分47秒差(2分10秒差)
7区的野遼大(1年)64分30秒区間7位(12→11)15分45秒差(38秒差)
8区山崎翔太(3年)67分00秒区間12位(11→11)18分33秒差(21秒差)
9区松村優樹(1年)71分00秒区間5位(11→8)18分27秒差(-3分10秒差)
10区小澤一真(2年)70分57秒区間3位(8→7)19分39秒差(-5分32秒差)
【優秀選手】松村優樹…1年生ながら長丁場の9区を任され、シード権内に浮上
【敢闘賞】田中秀幸…持ち前のスピードを爆発させ3区4位
【敢闘賞】的場亮太…暗黒時代を支え、最後はエースとして2区出走
【殊勲賞】大池・西郷・信時・的野…予選不出場&欠場組がシードラインに食い下がる
点数(80点で予想通り)
※貢献したかとかではなく、
あくまで自分のシュミレーションとどのくらいズレたかということ
90-100-90-100-80
100-100-80-80-90
3区田中、9区松村起用がピタリ 攻める所で一気に攻めた
箱根予選はIPを使っての逆転通過ということで最下位筆頭候補だった順大。その後の記録会で1万で好タイムが出ていたものの、トラックと20㎞ロードは別物と考える人が多くあまり評価が上がっていなかったか。しかし、そんな予想を完全に粉砕していった。
最初の1区2区は繋ぐ区間。堀選手はどちらかというとスタミナ型だったが、安定していたからの起用か。区間14位だったが崩れなかった。そして2区は的場選手。苦しい時期もずっと引っ張っていたエース。夏にはく離骨折をして大丈夫かと思ったが、最初で最後の箱根は2区に合わせてきた。中盤からペースアップして区間13位。納得ではないかもしれないけど、クレバーな走りはできただろう。
そして攻める区間に繋がった。今回攻める区間という位置づけは3区田中、9区松村選手。まずはスピードがある田中選手が3区でガンガン攻めた。63分10秒の好タイムで区間4位。シードラインに1分以内に付け、臨戦態勢を整えると、9区松村選手が一気にラインを突破した。1年生ながら長丁場の9区に起用されたが、後半になってもペースが落ちず次々に選手を交していく。総合11位から8位へ。1年生が復路の順大を復活させ、シード権に導くことになった。
4区から7区 箱根予選不出場&欠場選手が粘走
立役者は松村選手。ただ、個人的にデカかったのは4区から7区の走りだと思っている。この区間に入った選手を見てみると4区7区の大池・的野選手はスタミナ不足で箱根予選失速、5区6区の山はそもそも箱根予選を走っていない西郷・信時選手。選手層は薄いと思っていたので、正直なところ、この4区間のどこかで区間最下位が出るか、あるいはジリジリシードラインから引き離されるだろうと踏んでいたのだ。それがそうならなかった。
4区大池選手は持ち前のスピードで順位を上げ、10位のチームとの差を詰めにかかる。15㎞あたりから課題のスタミナ不足が出始めたが、18.5㎞という距離に助けられ傷口は最小限に。一番心配だったという5区西郷選手。仲村監督も「1年生なのにごめんな、我慢してくれ」と監督者で祈っていたらしい。区間15位ではあったが、他チームの苦戦もあってか思ったほど差は広がらず。6区信時選手は一般入学でコツコツ記録を伸ばしてきていた選手。復路の控えかなと思っていたのだが6区起用で力を発揮。60分半ばで適性があったようだ。この地点でシードまで2分後ろであった。
そして7区的野選手の走りは大きかった。単独走にやや不安があったが、一緒に走り出した選抜の選手がいいペースメーカーになった。最後まで競り合って、得意のラストスパートも炸裂。設定タイムより1分半ほども速いタイムで走り切り、シードラインに大きく詰め寄った。同じ1年生の松村優選手に大きな刺激を受けての成長もあったようだが、素晴らしい走り。これで怪我明けながら実力のあった山崎選手、先述の松村優選手、区間3位で走った小澤選手の配置が活きたと思う。
箱根切符獲得したら横一線 名門復活の狼煙
それにしてもIPの恩恵を受けたチームがシード権を獲得する時代がついに来た、それだけ戦力が拮抗してきているんだなと感じました。思えば、現行の枠になった79回予選はトップ通過と最下位通過が15分もの差があったのですが、今や5分くらいの年もありますからね。口では出場したチームには平等にチャンスがあるとは言っていたものの、まさに体現したものだった。これを見ると今苦しんでいる法大や日大などの伝統校も落ち込むことはない。復帰でいきなりシード権ということも充分ありうる。今回の順大のようなチームが出てくるか次年度注目かも。
≪主な在校生≫
田中秀幸(4年)28分50秒28≪箱根3区4位、予選13位≫
松村優樹(2年)28分54秒89≪箱根9区5位、予選46位≫
山崎翔太(4年)29分06秒60≪箱根8区12位、予選124位≫
小澤一真(3年)29分09秒86≪箱根10区3位、予選82位≫
堀正樹(4年)29分11秒65≪箱根1区14位、予選41位≫
大池達也(4年)29分13秒43≪箱根4区11位、予選120位≫
的野遼大(2年)29分21秒85≪箱根7区7位、予選212位≫
岩崎祐樹(3年)29分35秒00
狩野良太(3年)29分39秒76
西郷貴之(2年)29分54秒23≪箱根5区15位≫
松村和樹(2年)29分54秒75≪予選129位≫
山崎諭弘(4年)30分11秒29
信時一輝(4年)30分18秒53≪箱根6区11位≫
石井格人(4年)30分32秒49
佐藤優太(4年)30分41秒65≪予選192位≫
≪主な新入生≫
吉田将平14分16秒89≪都道府県1区45位≫
田中孝貴14分28秒16≪高校6区3位≫
小盛玄佑14分30秒16(07年高校卒)
西川弘貢14分35秒85≪都道府県1区19位、高校1区15位≫
相浦亮14分42秒37≪都道府県4区34位、高校3区38位≫
稲田翔威14分46秒70≪都道府県5区7位、高校1区18位≫
≪今から考えるオーダー≫
出雲:田中-的野-松村優-山崎-堀-小澤
箱根:的野-松村優-田中-山崎-稲田 信時-松村和-狩野-小澤-堀
さて、順大の戦力分析から趣旨が外れていたので話を戻します。抜ける穴は的場選手のみ。手応えを感じている選手がほとんど全員残るということで更に上のグループも充分狙える。しかも、苦手としていた箱根予選が無くなる。全日本予選を通過できれば、三大駅伝出場という本来のスタイルに戻るので調整がいつもの流れに戻るのが大きい。
現時点でオーダーを組んでも中々わくわくするのではないか?箱根以降、非常に強くなってきている的野選手を1区。エース候補の松村優選手を2区と新2年コンビを使ってみました。そして最後まで穴の無いオーダーになれそうじゃないかな。まあ、5区だけ西郷選手を育てるのか他の選手にするのかという課題はありますが、1年準備期間あれば大丈夫かなとは思う。名門復活へ、一気に勢いを加速させていきたい所だ。
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