猫ひろし氏のカンボジアでの五輪マラソン出場を決めた事に関して賛否両論、様々な意見が飛び交っています。自分はどちらかというと反対派ではあります。ただ、積極的に意見交換に加わっているわけではなく(「猫ひろし氏の実力って実際どのくらい?」とか「箱根駅伝で留学生として参加できる可能性あるの?」とか結構データに近いものだけ答えていた)、基本的に傍観。色んな見方や視点を吸収したくて抑えていたのですが、個人的にちょっとカチンと来るコメントも
「人の成功を素直に祝福できない奴が増えたな」「日本も堕落したな」的な
いやさあ、そりゃ成功を妬む心は良くないのは分かる。ただ、それを盾にして頭ごなしに反対派の意見を悪として言われるとちょっと待ってくれよと言いたくなってくる。
まあ俺もちょっとひねくれた性格ではあるんだけど、別にこっちも頭ごなしに批判しているわけではない(まあ中には叩くのが趣味な人がいてほいきたと叩いているのもあるのかもしれないが)。この点を祝福していいの?この点をスルーしていいの?と思うから色々指摘が出てくるわけだ。既に決まった事をぐたぐだ言わないようしようとしていたけど、どうしても1回吐き出したくなったのでちょっと書かせてもらう。
まず、こういう事実がある、それに対してこう思う
そしてこういう憶測ができる
というのをつづっていきたい。
他の類似例との違い
猫ひろし氏の批判が入るとラモス選手や高校野球を引き合いに出す方が多い。まず、この2例との違いをあげてみたい。
ラモス氏の場合
「日本でもサッカーでラモス選手が、卓球で中国の選手が、日本国籍を取得して出場しているじゃないか。それは批判してないのに…」
よくあがるのはこういうのだねなるほど、日本でも国籍変更して日本人として五輪に出場した例があり、それは大した批判は無かったと。まあサッカーの場合チームプレーだし日本人の中には戦力アップにほくそ笑んだ方もいたのかもしれません。
でも、ラモス氏が批判されないのはそれだけじゃない。猫ひろし氏とラモス氏がどう違うのか。
ラモス選手の場合は、日本で練習を行い、日本の文化や日本語の習得に励み、日本人になろうと努力していた。また、五輪後も日本サッカー界の強化に尽力された。
この点が良かったのではないですか。これだけ日本を愛しているのなら、生まれた場所は違っても日本人じゃないですかね。
対して猫ひろし氏はどうなのか。こんな記事がある
「カンボジア国民すべてとはいわないが、大半がいい気持ちではない。彼は現地に 住んでいないし、我々の文化を理解していない。ただ、オリンピック選手になりた いからという理由で国籍を変更して、1人の選手からその座を奪ってしまったのです 」
「彼はカンボジア人ではあるが、カンボジア人ではない。」
ttp://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120403-00000015-pseven-spo
より一部抜粋
つまりが国籍のみカンボジアというだけであって、中身は完全に日本人なのだ。現地に住んでいないのは奥さんがいるからギリギリ分かるとして、言語や文化学ばないのは…
だいたい五輪決定のインタビューをほとんど日本で行っているのがねぇ。元日本人なんで別に日本でやるのはいいんだけど、カンボジア代表なんだからカンボジアでそれ以上にしっかり行えよと思うんだけどな。
それじゃあカンボジア国民はいい感情持たないし、関心すら持ってもらえない(反感買うより無関心の方がある意味問題だよ。何もカンボジアにアピールしていないということ)。
高校野球の場合
次に高校野球の場合。「出身県から越境入学して甲子園に出場する選手が沢山いるじゃないか」という意見。高校野球は基本的に県代表なのに出身県以外の選手が沢山出場する。野球がマラソンに、高校野球がオリンピックに変わっただけだという主張である。
でも、これも違うでしょ。まず高校野球の出場権は高校在学中の3年間であること。対してオリンピックは体力のピークはあるとはいえ、基本年齢制限がない。つまり高校野球は高校の入学時点が出場権利のスタート地点であるということ。権利を有する地点でその県にいるのだからセーフでしょう。それで国籍変更が高校変更に当たるでしょう。これは基本的に高野連やってほしくないらしく、原則1年間試合出場禁止となっている。やむを得ない場合を除いて基本タブーと言う事だ。
出場枠は特別枠
そして、これがねぇ。特別枠を最初から半分狙っていた感じなのがどうにも…。特別枠って、国情などでどうにも強化が出来ず、陸上競技全体で標準記録突破者が出なかった場合に、その国の中で頑張っていた選手にチャンスを与える為に設けた救済枠なわけだ。それを最高の練習環境が整っている先進国の選手が奪ったわけですよね。先の高校野球は基本的に甲子園に出場できるような強い所に行くので趣旨が変わる。瀬古氏などが「参加することに意義がある」と話しているが、意味を取り違えていると言わざるを得ない。
まあ、「ルール上問題ない」「カンボジア人が遅いのが悪い」とか言われれば、それまでですが。
大きな組織の加担を感じます
また、猫ひろし選手を決めたのはカンボジア側なんだから、批判するならカンボジア陸連だろうという意見も良くあります。ただ、カンボジア陸連独断でやったにしては腑に落ちない点があるんです。
「カンボジアからの打診」は後付けの可能性大
猫は2010年12月にカンボジア国内でのハーフマラソンで3位になったことが評価され、同国政府などから国籍を変更しての五輪挑戦を打診された。
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120325-00000099-nksports-spo
というのがマスコミによって公に広められています。
しかし…こんなのが
企画者のブログ
「猫ひろしが国籍を変えてマラソンでオリンピックに挑戦」という企画は、2009年8月28日にDMM.comで生放送された『ホリエモン想定外のなんでお前なんだよ!!』という番組の中から生まれました。番組のMCがホリエモンで、ゲストが猫ひろしさんと泉忠司。
元ブログ:ttp://ameblo.jp/izutada/entry-11203856662.html
キャプチャ(一部):ttp://sports.geocities.jp/hakonankit/neko.jpg
現在削除されています。コメント欄が荒れていたので、これは記事削除されるかもしれないと魚拓取ろうと思ったが、それもブロックされていて取れず。なので、急遽取ったキャプチャで勘弁
カンボジア側から打診があったというが、1年3ヵ月も前に国籍変えて五輪出場へ動いた事を考えると、何か後付けな雰囲気が…。また打診があったというのも猫側のみの主張で、何だかあやふやなのだ。
なぜブンティン選手の結果を待たない
実は本題はこれ。
上記までの内容はもっと前から批判しろよ、的なこと。
でもこれは今言える事
まず、このヘム・ブンティン選手はマラソンでカンボジア記録を保持している選手で、北京五輪にもマラソンで出場(その時の記事のキャッシュのキャプチャ:ttp://sports.geocities.jp/hakonankit/hebun.jpg)。また、猫ひろし氏とのマラソン直接対決で2戦2勝している選手です。
その選手のここ1年のいきさつです。
ttp://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120404-00000001-sasahi-ent
ttp://geocities.yahoo.co.jp/gl/naka_shin2001/view/201204(個人ブログ)
つまりブンティン選手は東南アジア選手権で全種目欠場を余儀なくされ(他の選手も種目変更させられた)、陸連に反旗を翻したということで波紋(これの具体的な内容がいくら調べても出てこない。言論の自由が確保されていない国で一体何があったのやら)された。
その後、猫ひろし氏が別府大分マラソンで昨年のブンティン選手の自己ベストを僅かに更新したことを受け、4月15日に行われるパリマラソンで標準記録を狙うということをカンボジア陸連に伝えている。元々3月下旬に決定ではあったが一旦これは了承された。しかし、その手前での突然の決定。つまり前回出走者で自国出身の選手の最新の走りを見ないまま決定したのだ。
これさあ、カンボジア陸連側に金が動いたと考えるのが自然じゃないか(デッカイ宗教団体の名前があっちこっち上がっていますが)?貧困の国だし、大金出されたら言いなりになるだろう。今回の突然の決定も「オールスター感謝祭」に間に合わせる為に何か策略したと思ってもおかしくはないだろう
また、「法律は穴だらけ」「人の心は金で買える」と公言しているホリエモンが発端の企画だし、平気でやるだろうね(別に獄中にいる人の意見が悪いとか言ってるんじゃないよ)
つーわけで、一部怪しい情報も提供しました。ネットの情報を鵜のみにした阿呆と思う人もいるかもしれない。実際俺はひねくれた性格だ。でも、マスコミも(嘘とは言わないけど)、事実から、美談にできそうなところを一部を切り取って放映しているに過ぎない事はお忘れないように(上記の4年前のブンティン選手の記事も、猫氏の五輪決定の段階の時は残っていたのに、今になって突然削除されたし)。
まあ、今回の件でカンボジアの事情を少しでも知ることが出来たのは大変良かった。また、今回の出来事の評価というのは正直早計だと思っています。カンボジアにどういう影響を与えるかというのは今後でしょうし。
ただ、色々思う所があって、現時点で思っていた事を吐露させて頂きました。現在は五輪の道は厳しくともブンティン選手が五輪標準切りの記録を出せることを祈っています。
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