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オリンピックを終えて~日本男子長距離陣の今後を考える

オリンピックが終わりました。
政府が強化金を切り詰めて行っている中、
史上最多メダルを獲得し、大変な収穫があったと思います。
 
ただ、やはり男子長距離陣は苦戦は免れませんでした。
 
 

男子長距離陣の成績

1万
1位モハメド ファラー(イギリス)27分30秒42
2位ゲーレン ラップ(アメリカ)27分30秒90
3位タリク ベケレ(エチオピア)27分31秒43
22位佐藤悠基28分44秒06

5千
組1位
1位ハイレ イブラヒモフ13分25秒23
2位イシャー キプランガト13分25秒64
3位モハメド ファラー13分26秒00
12位佐藤悠基13分38秒22

決勝
1位モハメド ファラー(イギリス)13分41秒66
2位デジェン ゲブレメスケル(エチオピア)13分41秒98
3位Thomas Pkemei Longosiwa(ケニア)13分42秒36

マラソン
1位ステファン キプロティク(ウガンダ)2時間8分01秒
2位アベル キルイ(ケニア)2時間8分27秒
3位ウィルソン キプサング キプロティチ(ケニア)2時間9分37秒
6位中本健太郎2時間11分16秒
40位山本亮2時間18分34秒
45位藤原新2時間19分11秒
 分かってたけど、佐藤悠基選手が出たトラック種目は非常に厳しかった。特に1万は毎度おなじみの周回遅れという結果。5千の方は予選で残り1周まで喰らいついたものの、ラストスパートで後れを取る結果となった。
 逆に何とか1人入賞をと思っていたマラソンは、話題に上っていた拓大出身の藤原選手…ではなく、同大出身で1年後輩の中本選手が見事6位入賞。選考会好タイムでトップになった藤原・山本選手は決まりとして、後1枠をどうするかということになったが、『安定感があるから』ということで選ばれた中本選手。結果的に高温の条件で、石畳やカーブで走りずらいコースでは、彼の持ち味が最大限に活かせるものだったということだろう。期待された藤原選手はオーバーペースによるガス欠ということだそうで。まだまだやれる年齢だと思いますので、更なる開拓を期待したいです。

 ただ、今までと同じやり方を貫いても、純日本人(ハーフではなく、日本生まれ日本育ち)ではこれが関の山かなという感じがしています。というわけで(何となく思っている方も多いだろうもので目新しいものではないですが)、世界で戦えるようになる為に試してほしい2つの方策を書いてみたいと思います。
 
 
 

駅伝をやらなくても
長距離をやれる環境を

 一つ目はこちらです。日本の長距離人口が多いのは駅伝の影響が大きい。特に箱根駅伝のテレビ放送開始以降は、どんどん加熱してきています。このお蔭で層の厚さはすごいことになり、5千14分切&1万29分切の数はケニアなどを抜いて世界一となっています(まあ、人口比やら記録会の充実度などを考えてないですが…)。しかし、力を入れるのがあまりにも駅伝に偏り過ぎていています。元々アフリカの選手に比べて体力差があると言われているのに、駅伝とトラックorマラソン、二足のわらじを履くというのが無理があります

 勿論、最初から駅伝をやるために陸上をやり始めた選手は、選手はそれはそれでいいと思います。日本独特のスポーツですし、例えば箱根駅伝を最後に散るというのは全然ありだと思います。ただ、世界で戦いたいという選手が徐々に流されていったり、トラックorマラソン練習の時間が削られたりというのはあってはならないと思います。とにかく、あり方を考えなければならない2大駅伝を2つ。
 
 まずは箱根駅伝。これは正直、1500~1万のトラック種目の弊害になっていると思っています。よくマラソンの弊害と言われますが、ちょっと違う見解。多分、箱根駅伝のエースと言われた選手がマラソンでの活躍を見ないからということなんでしょうけど、箱根駅伝の20㎞強という距離は、スピード型とスタミナ型に分ければ、スピード型の方が強い距離なんです。特に気温が低めの冬にやりますから余計そうなります。それで、問題なのはトラックと20㎞ロードでは腰の動きなどフォームが微妙に違うし、体を作り直したりという作業が出てくるんです。前回五輪選手の竹澤選手も学生時代に「スピードで推せばいいじゃん、と言われるけど、そう簡単な話ではない」と話しています。練習メニューが大幅に変わってしまうんですよね。ちなみに、トラックに出場するアフリカ人は距離走やペース走は行わいとか。日本人の筋力でそのままできるかどうかは分かりませんが、どうでしょうか?

 そして、ニューイヤー駅伝。こちらはマラソンの弊害になっているでしょう。高校(5㎞~10㎞)→大学(20㎞前後)と距離が伸びているのに10㎞~15㎞に距離が戻っています。1区間だけ20㎞区間ありますが、はっきりいって足りない(藤原選手が実業団辞めたのもその理由)。じゃあ、マラソン練習の『ついで』にニューイヤーやればいいじゃんという意見もあると思います。しかし、実業団は基本的にニューイヤー駅伝で、社名をテレビに映す事を目的としてチームを組んでいます。そして、選手たちは当然企業から給料を貰っています。なのでニューイヤー駅伝で手を抜くことはできません。つまりマラソン練習真っ只中に本気で別の距離にも取り組まなければならない状況なのです。実際昨シーズンは九電工の前田選手が1回目のマラソンで失速しましたが、その理由が「実業団地区予選の疲れ」ということで。柔といえばそれまでかもしれませんが、軽視していい問題か否か。

 また、全体的に言える問題として、体のピークを合わせるのが若いころ(高校)から冬になるように固定化されてしまいます。世界選手権やオリンピックは夏ですので、調子をもう一度あげていくのは大変です。世界大会の雰囲気とかもあるのでしょうが、もうちょっと力出せればなぁという場面もあります。
 
 別に駅伝全否定ではありません。当然競技人口が多さには貢献していると思いますよ。野球やサッカーなど華がありなおかつ世界と戦えている競技と比べて、決して人気が見劣りしない要因の一つにはなっているし、選手のモチベーションになる場合は多々あるでしょう。それに裾野は広げておくべきかと。ただ、駅伝に興味ない選手もいるだろうし、そういう選手の意志も尊重すべきでしょう。鹿屋体育大にいた永田選手は「毎年冬になると箱根駅伝とか色々言われて憂鬱になった」と告白。駅伝やらないだけでこれだけ色々言われるのはおかしい。日本に生まれたからといって、駅伝をやらなければならない理由はありません。そういう雰囲気になってしまっているのが問題。そういう選手がやりやすくなるように日本陸連が努力しなければならないと思います。
 
 
 
留学生を迎え入れるのではなく、
日本人が海外にいくべき

 留学生を受け入れるようになって約25年経過しましたが…まあ、特別大きな効果はありませんでした。勿論、一目標になったりや駅伝で名勝負が生まれたり、ということはありましたが、日本のトップレベルを引き上げるまでには至りませんでした。視聴者の方も全体的に気付いているのか、最近の留学生推進派の意見を見ると「駅伝が盛り上がる」「留学生規制は人権侵害だ!」と、日本人育成云々とは別の方向ばかりになってきています(どうでもいい)。

 難しい所なのですが、結局陸上は個人競技なので、最後は自分の肉体との対話になります。ライバルがいると向上しやすいですし、ある程度のレベルにはいけます。ただ、あまりにもレベルが高いと焦ったりやりすぎたりして、身体壊れます。これが野球のように技術などで何かしらフォローができたらいいんですけどね。野球は攻撃だけでいえばホームランだけじゃなく、打率をあげたり、バントだったりと色々あるのですが、陸上場合は単にホームランの飛距離とか、ホームランの数とかになってくるんですよね。根性云々の話ではありません(長距離は遅筋と言って見た目の発達がないので分かりづらいですが、短距離とか速筋の、海外の選手と日本人の発達具合を見たら…)。技術が入る余地があるとすれば、フォームくらいでしょうか?ただ、筋肉の付け方とかまでおそらく変えないといけないので大変になってくると思います。
 
 やらないといけないのは日本人の方が海外へ行く事。アフリカの高地に行くのは勿論いいと思います。一応マラソン合宿で高地に行く事はありますが、数か月では…。あのフォームと強靭な心肺機能をつけるには数年はいかないとならないのではないでしょうか?走りやすい地形だけでなくゴツゴツした岩山を走ったりと肉体改造をしてほしい。皇帝の朝練は高地の草地で40㎞走とかです。そこまでできなくてもそういう環境でやれる範囲でやることはやってほしい。
 
 後は、アメリカに行くのもおもしろそう回のロンドン五輪の1万で白人のアメリカ人が最後の最後まで黒人の中で堂々と渡り合って2位に入りました(個人的にかなりショック受けました)。他の人種が急速に伸びてきたのだから何かあるに違いない!こりゃ武者修行に行くべきでしょう。そういえば村澤選手が卒業後アメリカに拠点を移すという話が。実現するのかどうかは分かりませんが、是非ともやってほしいし、日本陸連が、海外修行をやれるように整備していかなければなりません
 
 過去の伝統を全否定したいわけではないです。ただ、出来る限りのことをしてあがきたいということです。
 
今回は今までの伝統的なやり方の中本選手が入賞、新しいやり方の藤原選手が失速しました
 
だからといって、今までのやり方が100%良い、新しいやり方が100%悪いとか、そういうのは違う
 
あらゆる方策を試した方がいいと思うんです。
 
 一応まだ強化されている陸上競技ですが、はっきり言っていつ強化切られてもおかしくないですよ。ロンドン五輪みてたら、どんどん他競技が台頭してきていますし。色々できるのは注目がある今のうちです。早い段階での制度改革を求めます。
           

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